必要な水は10分の1。砂漠の地、ドバイに誕生した垂直農場「Badia」

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アラブ首長国連邦(以下UAE)のドバイに、ペルシア湾岸地域6か国で初めての商業垂直農場「Badia Farms(以下Badia農場)」がオープンした。ドバイは砂漠気候に分類され、年間の降水量は100ミリ以下。夏の平均気温は40度にもなり、植物の成長にはとても厳しい環境だ。ドバイの食卓に並ぶ野菜は、通常5,000kmも遠い所から運ばれてくるという。

こういった事態を打破するため、自分たちの手で植物栽培に挑むのがBadia農場だ。同農場は管理された屋内環境において地域の「緑改革」を開拓するという計画のもと、2017年12月に生産を開始した。

Badia農場コンセプトは、水使用の削減と持続可能な未来の創造だ。これは、2021年までのUAEのビジョンでもある。農場創立者Omar Al Jundi氏は、こう語る。「我々は食物の持続可能性を解決し、輸入依存を減らす目的でこの農場を創業した。」

Badia農場では最新の水栽培技術と垂直農場技術により、日光や土、および化学薬品や殺虫剤を使わずに、栄養価の高いレタス、マイクログリーン、他にも多種類のベビーリーフを栽培している。自国で野菜を作ることにより、他国からの輸入で生じるカーボンフットプリントを大きく削減する。

そして、使用する水は最小限だ。従来の農場が必要とする水量の10%のみを使用し、使用後の水はリサイクルしている。Omar Al Jundi氏は、「我々は、ドバイで農場の新しい波を起こしたい。」と述べる。

Badia農場は、UAEが掲げる「より持続可能に」という目標を反映し、垂直農法によってコスト削減と食物の生産性を高めることに寄与している。また、気候変動に対応しながら、食の安全を保障するための農産業改革と最新技術をサポートしていくことは、2017年の世界サミットの主要決定項目でもある。

UAEの気候変動環境大臣であるThani bin Ahmed Al Zeyoudi氏は、こう語っている。「Badia 農場は、環境を保護しながら、次世代に向けてどのようにUAEの農産業が繁栄していけるかという試みであり、革新を率いるというUAEの立場を再確認するものだ。政府は潜在的な投資機会を探るため 、民間セクターと繋がりを強化してサポートしていく。」

農業の持続可能性と、食物の多様性および安全に大きく寄与する、垂直農場。現代の最新技術を駆使した、その土地の気候や特性に適した新しい農業のカタチは、これからの世界の農業の道しるべになるだろう。今後の開発・発展が期待される。

【参照サイト】Region’s first vertical farm opens in Dubai
(※写真:Emirates News Agencyより引用)