待遇もモノからコトへ。アメリカ企業が社員の未知の体験に1,500ドル

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人々の消費が「モノからコトへ」変わりつつあると言われている。物欲が希薄になった代わりに、体験に時間やお金を投じたいと考える人が増加している。

同じ傾向は職場でも見られるようだ。アメリカの企業評価サイトGlassdoorが2015年に行った調査によると、従業員の80%が、昇給よりも有給休暇や働き方の柔軟性といった給与以外の特典を求めているとの結果が出ている。

アメリカの会社Qualtricsは、カスタマーエクスペリエンスといった人々が体験する感情的な付加価値を調べるソフトウェアを開発している。体験のプロデュースを常日頃から支える同社は、従業員に対しても体験を重視した特典を提供している。普通であれば得られないような体験に使うよう、従業員に毎年1,500米ドル(約16万円)を渡しているのだ。

「私たちは、何をするべきか指示を出しません。みなが一生のうちにやっておきたいことを体験できるよう、サポートがしたいのです」と同社のMike Maughan氏は語る。今年に入ってからすでに670名ほどの従業員がこの体験型の特典を活用し、ガラパゴス諸島でサメと泳いだり、万里の長城を歩いたり、フィリピンの子供に本を送ったりと、十人十色の時間を過ごしてきた。

さまざまな旅行の写真がコラージュになっている

体験型の特典というユニークな取り組みを行う同社だが、実は会社がこういった手当を出す事例は他にもある。Business Insiderの記事によるとAirbnbは従業員に年間2,000ドルを渡し、それで同社のサイトに掲載されている世界中の宿泊施設から好きな場所に泊まれるという。こちらも旅を通じた新しい出会いや体験を重視するAirbnbらしい取り組みだ。

こういった取り組みを見ていると、いつのまにか毎日のことに追い立てられている自分の状態に気が付く。時間はすべて自分だけのためにあるのに、自分で自分を型にはめようとしていないか。予想を超えた展開を受け止めて面白がることを忘れかけていないか。未知との遭遇はいつだって、あとで何倍にもなって意外な形で自分自身に戻ってくる。

山頂でハイカーが夕日を眺めている

QualtricsやAirbnbといった会社は体験を演出する事業を行うなかで、豊かな体験が普段の従業員の仕事をさまざまな角度から複合的に支えている大切なものだとわかったのかもしれない。

日々の仕事のことだけ考えていたら絶対に思い出すことのない感覚。生きているってすごすぎる、という感動。それを強く感じたとき人は、仕事でもなんでも「とにかく続けてみよう」と澄んだ気持ちで思うだろう。毎日同じ仕事のくり返しの中では気づきにくい、新たな活力を与えてくれる特典だ。

【参照サイト】Qualtrics
【参照サイト】A tech company is giving each employee $1,500 to spend on experiences — and it’s a millennial’s dream perk

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