【レポート】浮かび上がる人物と仮想空間チャット。MR・VRで体感する、近未来の働き方

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目の前の空間を指でタップすれば、その場に人がいなくてもホログラムが現れる。自分を模したアバターが、仮想空間で自由自在に動き回り、その場にいる人とリアルタイムで会議をする。そんなSF映画のようなシーンを体験するのは、まだ先のことだと思っていた。

近年のテクノロジーの進歩は、わたしたちの働き方を想像していなかったレベルで変えるかもしれない、と思った出来事がある。以下の動画を見てほしい。

これは、株式会社リクルートテクノロジーズが東京・広尾にオープンした研究スペース「Advanced Technology Lab(アドバンスド・テクノロジーズ・ラボ:以下ATL)」で開発が進められている、MR(複合現実)を活用した未来のオフィスのイメージ映像である。

同スペースは、研究を行う技術者が集い、最新テクノロジー機器を自由に使いながら次世代のイノベーションを生み出す場だ。たとえばマイクロソフト社が開発したホロレンズ(HoloLenz)の活用。ホロレンズは透過型のヘッドマウントディスプレイで、頭にかぶると現実世界と仮想の映像を組み合わせた複合現実の世界を体験できる機器である。

3月後半、ATLが提供するMRでの施設説明会と、VR(仮想現実)による仮想空間内での対面会議を体験させていただく機会があった。その様子を一部レポートしていこう。

近未来感たっぷりなATL施設体験

ホロレンズを頭にかぶり、ホログラムで浮かび上がった女性を指で「タップ」すると、ATLの紹介が始まった。目線のポインタを合わせて人差し指を立て、まっすぐ下に倒す動作が「タップ」だ。場所を変えれば、その場にいるホログラムがそれぞれの設備について解説をしてくれる。

エアタップの様子

ホログラムの女性の後ろには、ATL客員研究員の方々の姿がある。MRの映像自体はわたしたちの視線に合わせて動くわけではないため、その人の目の前まで行ってタップをすることで、はじめて話し始めてくれるというリアルさがあった。

現実の風景にぴったり合った映像を組み合わせることで、あたかもその場に解説者がいるかのように見せる技術は、非常にユニークだ。これで相互のコミュニケーションもできるようになったとしたら、まさにSFの世界である。

続いて、VR Chatルームでの対話だ。

目の前には、実際のATLを模した仮想空間が広がった。左右の手に持った機器でアバターをあやつり、同じ時間に同じ空間にいる人とミーティングができる、という仕組みだ。

現在、VR Chat上での技術セミナーや勉強会の開催を目指しているようだ。実在のオフィスに集まらなくても、大人数が同じ空間で対面のコミュニケーションができるということで、今は想像もできないような新しいビジネスが生まれるかもしれない、と心が躍った。

テクノロジーの無限の可能性

近年の働き方のトレンドの一つとして「毎日オフィスに通勤する必要がない」ということが挙げられる。VR Chatではこのエッセンスを取り入れつつ、仮想空間での会議という遊び心のある形で昇華させた。ATLで生まれたアイデアの活用方法は、これから時代が変わるにつれてさらに多様化していくだろう。

同スペースでは、開発したコンテンツを互いに発表するイベントの開催など、 ATL客員研究員同士の交流の場作りもしながら、研究を進めていくという。これだけ最新機器をふんだんに使った研究ができるにも関わらず、ATL客員研究員になるのは無料だというから驚きだ。

AIやIoT、そして今回のMRとVR。テクノロジー発達による、それぞれの企業にあった「働き方改革」は、もう始まっている。そして、近未来のオフィスが実現する日すらも、そう遠くないかもしれないと夢見ずにはいられない。

Advanced Technology Lab


開館時間:平日 10:00~22:00
住所:東京都渋谷区広尾3-12-36
株式会社リクルートテクノロジーズが運営するオープンイノベーションスペース。先端技術を活用した開発を行うエンジニア・クリエイターは誰でも無償で「ATL客員研究員(会員)」になることができる。新しい技術の開拓や次のトレンドをいち早く察知し、未来のサービスを生み出す支援を行う。