これぞ地産地消。ベルギーのスーパーが屋上で採れた野菜の販売を開始

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「フードマイレージ(food mileage)」という言葉を聞いたことがあるだろうか。これは、「食料(=food)の輸送距離(=mileage)」という意味であり、食料の輸送量に輸送距離を乗じた指標である。

食料を生産地から消費地へ運ぶ距離が長ければ長いほど、輸送の際に排出される二酸化炭素の量が多くなり、環境への負荷は大きくなってしまう。そのため、このフードマイレージを減らす運動が1990年代にイギリスで始まり、現在世界中へ広がってきている。

ベルギーのスーパーマーケットチェーンDelhaizeが首都ブリュッセルで始めた「都市農園(Urban Farm)」プロジェクトもその一つだ。このプロジェクトは、なんとスーパーマーケットの屋上で野菜の一部を栽培し、収穫した野菜をそのまま店舗で販売するというものである。

Image via Urban Farm

野菜は朝8時に屋上で収穫され、1時間後には店頭に並ぶ。当然輸送の際にトラックなどを使用しないため、発生する二酸化炭素はほぼゼロだ。

360平方メートルの屋上に作られた農園で、今年はトマト、レタス、イチゴが栽培されたという。温室を利用しているため、年間を通して収穫が可能であるそうだ。また、ソーラーパネルによる太陽光発電や、建物からの復熱を利用して農場経営に必要なエネルギーを調達しており、その面から見ても環境に優しい農園である。

ただ、屋上農園には課題もあるようだ。たとえば、通常の農場と異なり生物多様性が少ないため、農作物に対する害虫の影響が大きくなりやすいこと。また、屋上という場所柄、重量制限の問題もある。現在はまだ試験段階であり、一部の店舗でしか実施されていないこの都市農園プロジェクトだが、今後このような課題を解決し、他の店舗へ拡大していくことを目指しているようだ。

店舗での野菜の栽培・販売により、フードマイレージを減らすことができるのはもちろん、消費者にとっては、とれたての新鮮な野菜が食べられるというメリットもある。また、その野菜がどこでとれたものなのかがはっきりわかるという点で、安心感も得られるだろう。もしかすると、近い将来、多くのスーパーマーケットの屋上に農園が広がっている日が来るかもしれない。

【参照サイト】This Belgian supermarket is selling produce from its own rooftop farm
【参照サイト】農林水産省 – 環境保全に向けた食料分野での取組

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