相乗りでCO2削減。ロンドンの空港が始めた、世界初の従業員向けインセンティブプログラム

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イギリス国内はもちろん、欧州のハブでもあるロンドン首都圏には、世界最多の旅客数をさばく6つの国際空港ネットワークがある。その一翼を担うガトウィック空港が、従業員を対象とした画期的なカープール(相乗り)通勤システムを発表した。

自家用車で同僚と相乗りする従業員は、空港で優先的に職場に近い場所に駐車することができるというもので、これにより炭素排出量を低減。Faxiが提供するアプリによって相乗りのデータを収集し、相乗りした従業員が優先駐車や燃料費をカットできるなど、得をするシステムを作り上げた。

Faxiの創設者トニー・リンチ氏は「ガトウィック空港の広大な敷地で、インセンティブを用いたカープールを行うことは素晴らしいことです。当社のテクノロジーと、ガトウィック空港の相乗りの取り組みを合わせることで、従業員全体の車の利用を大幅に削減することができます。」と述べる。

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Faxiカープールアプリは走行ルート上の他のスタッフを見つけ出し、ピックアップするために利用可能な道順も表示する。これにより、ドライバーは車両に多くのスタッフを乗せて運び、環境への影響を最小限に抑えることができるのだ。

定期的に多くの人を輸送するドライバーには、時間の経過とともに、自分が選んだ駐車場の位置に停められるようアップグレードする機会が与えられる。空港の敷地は広大で、駐車場は遠いところでターミナルビルから1.5km以上離れている。1日の通勤時間が最大40分短縮できるため、ドライバーにとってのメリットは大きい。

ガトウィック空港の駐車場責任者、ガーリー・ウォレスは、「われわれは、空港が持続可能な移動と駐車場制度を推進することを嬉しく思っています。Faxiは、従業員が交通費や時間を節約できるだけでなく、自動車の排出ガスや地域の道路の交通量を同時に減らすことが可能です。これは、ガトウィックがイギリスで最も環境にやさしい空港だということを示しているのです」と述べる。

ガトウィック空港では最近、カーシェアリングシステムを提供するBluecity carsと提携し、便利でゼロエミッションな100%電気自動車のシェアリングサービスも開始している。今回のインセンティブ付き相乗りシステムも、持続可能な社会のための継続的な取り組みの一環だ。

ある調査によれば、平均的なイギリス人は一生のうち、400日近くの時間を通勤に使っているという。定期的に相乗りしているイギリスの人々はわずか10%程度だが、イギリスの全人口のほぼ半分が、知り合いと一緒に移動をすることに抵抗がないことが示されている。

緻密な調査データとテクノロジーを駆使して、従業員もよろこぶ先進的な通勤システムを作り上げたガトウィック空港。このノウハウは、空港だけに留まらず、一か所に多くの人が同時に移動するような大企業の通勤や、大きなイベントでも応用することが出来るはずだ。

【参照サイト】Gatwick launches world first incentivised car-pooling service for airport staff

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