米カリフォルニア州でレシートの電子化法案が提出。紙のレシートは、自然にも体にも悪影響だった

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買い物をした際にもらうレシート。あなたはもらった後、どうしているだろうか。大抵の人は金額を確認した後、すぐに捨ててしまっているのではないだろうか。考えてみれば、すぐに捨ててしまうものを買い物のたびにもらうのは実にもったいない。

そんなレシートを紙ではなくデジタルにしようという法案が米国カリフォルニア州で提出された。法案を提出したのはフィル・ティング(Phil Ting)議員。NGOグリーンアメリカによると、米国では、レシートに1年間で約300万本以上の木と約340億リットルの水が使われるにもかかわらず、約13万トンのごみとなり、約181万トンのCO2を出しているという(※1)。

小さな紙切れがこれほどの環境負荷をかけている現状。「塵も積もれば山となる」とは、まさにこのことだと思わずにはいられない。

レシート手渡し

Image via Shutterstock.com

レシートが与える環境負荷はこれだけではない。小売店などで日々発行されるレシートの93%は、環境ホルモンとして知られるビスフェノールA(BPA)もしくはビスフェノールS(BPS)が使用されているという。

ニューヨーク州保健局の研究者は、BPAに触れることと発達や神経の問題には関連性があると指摘。BPSはBPAの代替品として使われているが、BPSも同じ様な問題を引き起こす可能性があるという。調査では、レシートによく触ることのある労働者を検査したところ、3割の人の身体からBPAもしくはBPSが検出され、多くの人はEUで定められた1日あたりのBPAの許容量を超えていた。わずか数秒しか触れていないはずのレシートがこれほどまでに人体に影響しているとは、多くの人は知らないのではないだろうか。

法案は正式にはAB161という番号があるが、「伝票を省こう(Skip the slip)」というニックネームがつけられている。米国でもスターバックスやホールフーズなどいくつかの企業はすでにレシートの電子化に取り組んでいるが、自治体レベルでの取り組みはまだない。法案が通れば、紙製のレシートを電子化する法律としては米国初になる。

グリーンアメリカの気候変動とリサイクル問題のディレクターであるベス・ポーター氏は、「法案が通れば、何百万本もの木がレシートのために伐採されることを防ぐことができ、この問題においてはカリフォルニアが先駆者になるだろう」と語った。

レシートのペーパーレス化は、森林や水資源の保全につながるだけではなく、化学物質問題の緩和にもなる。そして、私たちの健康にも密接に関わっているのだ。日本での広がりにも期待したい。
 
※1 Skip the Slip Report: Environmental Costs & Human Health Risks of Paper Receipts with Proposed Solutions
【参照サイト】Join Assemblymember Ting in supporting the Skip the Slip Campaign!