カリフォルニアが毛皮製品の製造・販売を禁止。アメリカの州で初

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動物保護の観点から、毛皮の利用をやめる流れが世界で広まっている。「ファーを使わないブランド」はシーズンごとに増えており 、ブランド発足時からベジタリアン・ファッションとして知られるステラ・マッカートニーをはじめ、現状シャネル、プラダ、バーバリー、グッチ、ベルサーチ、アルマーニ、コーチ、トム・フォードなどが名を連ねる(バーバリーについては過去記事参照)。

毛皮利用を取りやめる動きが広まる中、今月、ブランドではなくアメリカのある州が、毛皮製品の製造・販売を禁止する法案を州として初めて可決させた。その州とは、動物愛護・福祉に積極的であるカリフォルニア州だ。

「動物の毛皮、もしくは(製品の)一部に動物の毛や毛皮が施されたものの販売、販売のための製造」が禁止になり、具体的には、ミンク、チンチラ、セーブル(イタチ)、リンクス(ヤマネコ)、フォックス、ウサギ、ビーバー、コヨーテなど、多くの野生動物が対象になる。これに違反した小売店は、最大1,000ドルの罰金か6か月の禁固、またはその両方が課せられる。ただし、牛革や鹿、羊、山羊の皮を用いたものは禁止しない。また、中古品、宗教目的のもの、先住民族が伝統文化や精神的な目的で使用する毛皮製品等は対象外となる。州法は2023年の1月より施行される。

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カリフォルニアでは、「動物の毛皮、もしくは(製品の)一部に動物の毛や毛皮が施されたものの販売、販売のための製造」が禁止となる。

今回の法案可決を支援した米国動物愛護協会(The Humane Society of the United States)の代表は、「この法案は、ファッションのために野生動物が痛みや恐怖に苦しむことを望まないという、今の消費者の主張を強調している。さらに多くの都市、州、国がカリフォルニアの例に続いてほしい。いまだ毛皮を販売しているブランドや小売店は、動物の犠牲がない革新的な代替品への切り替えの検討が必要だ。」と述べている。

毛皮のファッション利用の完全な撲滅にはまだまだ長い道のりがあるが、一歩ずつ進んでいるのは確実である。国単位ではセルビア、ルクセンブルグ、ベルギー、ノルウェー、ドイツ、チェコ共和国が毛皮の製造を禁止している。アメリカ国内ではニューヨーク市とハワイ州でカリフォルニアと同様の毛皮販売禁止法案が審議されている。

一方で、毛皮の禁止を取りやめることで利用が増えているフェイクファーの多くが、石油やプラスチックなどから作られており、かえって環境に良くないのではないかといった指摘もある。代替策には慎重な検討が必要だ。しかし、ファッションのためだけに動物を犠牲にするというのは本来望ましくないはず。今後も行政と民間の双方から、毛皮の利用をやめる動きが進んでいくことを期待したい。

【関連記事】バーバリーが売れ残り商品焼却を廃止へ。“真の高級ブランド”目指す
【参照サイト】California Becomes First State to Ban Fur(VegNews)
【参照サイト】The California Fur Ban and What It Means for You(The New York Times)