ストレス社会の救世主となるか。脳科学に基づく「デジタルニュートリション」を提供するアプリ“Moodrise”

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今やスマートフォン(以下、スマホ)は、われわれの生活にとって欠かせない。予定管理やSNS、地図、電車の乗り換え案内、電子マネーなど、スマホひとつが何役もこなす便利な時代になった。

しかし、メンタルヘルスに関するオンラインリソースを提供するPsych Centralに掲載された調査(※1)によると、スマホを長時間使用することは不安や憂鬱な気分になることにつながるという。生活に密接に関わるものゆえに、気づかぬうちに依存し、気分が落ち込んだりしてはいないだろうか?

今回は、そんな現代の病を解決へと導くスマホアプリ「Moodrise」を紹介したい。Moodriseは、脳科学に基づき、リラックス効果や気分を上げる画像、映像などを提供するユニークな最新ウェルネスアプリだ。

Moodrise

Image via Moodrise

このアプリの大きな特徴は、脳科学に基づいて、コンテンツを提供することで、脳内の神経伝達物質を増加させ、精神状態を改善するということ。研究者、医師、学芸員などの協力を得ながら、開発されたという。

Moodriseは主に6つの精神状態、「Happiness(幸福)」「Confidence(自信)」「Energy(活動力)」「Focus(集中)」「Calm(穏やかな気持ち)」「Connection(人との繋がり)」へのアプローチに焦点を当てている。

利用者は、この6つの中から自分が悩んでいることを選ぶだけ。幸せな気持ちを求めるならセロトニン、自信を持ちたいならドーパミンを増やすコンテンツを自動で提供してくれるのだ。

用いられる画像や映像、音楽、アート作品などは「デジタルニュートリション」と呼ばれている。食事と同様に、心身ともに健康であるために必要な“栄養”という意味合いだ。具体的なコンテンツは、動物の癒し動画や、自然の美しい画像、最近流行りのASMR(視覚や聴覚への刺激により脳が快感を感じる現象)の動画、世界的アーティスト、ジェームス・タレル氏の作品などが挙げられる。

日本では、一生のうち15人に1人は鬱病になるという。環境によって、誰もがなりうる身近な病気だ。ストレス社会の中で、健やかに生きていくには体だけでなく、心をメンテナンスする必要があるだろう。現在英語版のみリリースされているMoodriseだが、これから新たな癒しの手段となるかもしれない。

※1 Psych Central – Survey: Heavy Smartphone Use Tied to Anxiety, Loneliness, Depression
【参照サイト】A New App Is Using Art to Help You Feel Better
【参照サイト】Moodrise app claims to alleviate pain, boost mood and improve your life with ‘digital nutrition’

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