マイ容器持参でディスカウント。世界の飲食店の取り組みが三方よしでサステナブルな理由

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スーパーに行くと、惣菜コーナーには使い捨ての容器が数多く並んでいる。もちろん、これらのいくつかはリサイクルされることになるだろうが、それでも一度きりの利用では何となくもったいないと、罪悪感を感じている方もいるのではないだろうか。

アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)の調査によると、アメリカの使い捨て容器や包装のゴミは年間約3,900万トンに相当するという。

そうした状況を踏まえて世界を見渡すと、なるべくパッケージを使わない「パッケージレス」の動きが盛り上がり始めている。たとえばヨーロッパでは、自分で容器を持参してお気に入りのナッツや調味料などの食料品、日用品を購入できるゼロウェイストストアがある。(参考:【デンマーク特集#7】ゼロウェイストを目指して。100%オーガニックの量り売り専門店「LØS market」

今回は、消費者にインセンティブを与えることで使い捨て容器削減に取り組むお店をご紹介したい。

テイクアウト容器

Image via shutterstock

アメリカや香港にチェーン展開をしている「Just Salad」というサラダ専門店では、顧客がお店で販売されている再利用可能な容器を1ドルで購入し、その容器を使うとトッピングが無料になる仕組みになっている。こうしたJust Saladの廃棄物削減に配慮する取り組みは米環境保護局に評価され、WasteWise awardにも選ばれた。

Just Saladによると、再利用可能な容器の販売は過去1年間で38%増え、すでに25%の顧客はお店の訪問時にこれらの容器を利用しているという。結果として年間で約34トンのプラスチックが削減されているとのことだ。

Just salada

Ancolie」というニューヨークにあるレストランも同様である。Ancolieでは、テイクアウトのサラダやデザートをガラス瓶のメイソンジャーに入れて提供している。このメイソンジャーには2ドルのデポジットが含まれており、次回来店した際に持参すると、値引きが受けられるという仕組みだ。このメイソンジャーを再度顧客が持参する割合は、4割に上るという。

「顧客が容器を持参してくれることで、店側は新しい容器を買わなくてもいいというメリットがある」というのが、Ancolieの創業者兼オーナーのChloe Vichot氏の見方である。また、Ancolieでは容器削減だけではなくインスタ映え商品の開発にも力を入れているという。Chloe Vichot氏は、肩肘はらずに、楽しみながらお店を繁盛させることに持続可能性があることを強調している。

ニューヨークを中心に展開するカフェ&レストラン「Maman」では、テイクアウトの際に顧客がマイカップを持参すると10%割引が適用される。さらに、エスプレッソやコーヒーの出し殻を原料として石鹸を販売している「2nd Ground」に、コーヒーの出し殻を寄付し、その石鹸をMamanでも販売している。

これまで、使い捨て容器削減への対応は、顧客の意識によるところが大きい側面があったが、これらのアメリカのレストランや小売店では、顧客にインセンティブを与える形を取ることで持続可能性を持たせていることに大きな特徴がある。

「値引」のインセンティブは、結果的に企業の「利益」にもつながっており、消費者にも企業にも、そして環境にも優しい、まさに「三方よし」である。これらの動きが消費者の意識を高め、循環型経済へと近づく一助となるのではないだろうか。

【参照サイト】Just Salad
【参照サイト】Ancolie
【参照サイト】Maman
【参照サイト】2nd Ground
【関連記事】【デンマーク特集#7】ゼロウェイストを目指して。100%オーガニックの量り売り専門店「LØS market」