エシカルファッションの基本のキを学べる講座、オンラインで開催中

Browse By

「エシカルファッション」という言葉を耳にする機会が増えてきた。2019年に実施された調査によると、回答者の7割以上が環境や地域社会に配慮したエシカル・サステナブルなファッションを取り入れたい、とするなど、近年は消費者の関心も高まってきている(※1)

しかし「環境や地域社会に配慮した」といっても具体的に何を意味するのか、ファッションの課題は何か、エシカルファッションは結局なぜ良いのか、わかりづらいと感じてはいないだろうか。実際、多様な意見や多くの情報が氾濫する中で、体系立てて理解を深めるのは困難なことも多い。

そこで、ファッションが抱える課題を包括的に学ぶ機会をつくろうと、この6月に一般社団法人unistepsが「エシカルファッション講座」をスタートした。講座はすべてオンラインで提供され、申し込むとPDFのテキストと動画教材(15~20分)にアクセスできるようになる。早速筆者も第1回目を受講してみたので、感想をまじえながらご紹介したい。

ファッションの基本のキを学んで解決方法を考える力に

講座は、ファッション産業の基本構造や繊維の種類、製造プロセス、ファッションの認証制度、そして服を買った後のケアのコツやより環境に配慮した手放し方など、基礎的な知識や課題、改善策が学べる内容となっている。

講座で学べる5つのテーマ
  1. エシカルファッション概論:ファッション産業の基本構造を概観し、産業が抱える10の課題と、それに対する10のエシカルなアクションについて学ぶ
  2. 素材:基本的な繊維分類と、繊維について自分なりの考えを持つための視点を学ぶ。具体的にはオーガニックコットンや再生繊維を取り上げる
  3. 製造プロセス:染色や漂白などの加工、輸送など、製造工程における課題とそれに対するソリューションについて学ぶ
  4. 認証:認証制度についての概説と主要な認証マークの紹介を行う。認証システムのメリットとともにデメリットについても考える
  5. アフターインパクト:消費や支出額のデータをもとに消費のあり方の変化について概観し、購入のあり方について検討。また洗濯を始めとするケアの方法や、生分解性の視点をもとに廃棄についても考える

これらの講座を受け、特に印象に残ったのは「何がエコか」をはっきり分けることの難しさだ。たとえば衣服に使われる綿花は天然の繊維なので環境負荷が低いと思われがちだが、栽培時に大量の水や農薬を使うことを考えると、そう単純にエコとは言い切れない。もちろん、オーガニックコットンはそうした環境負荷は少ないが、生産量は全世界の綿栽培のわずか1%。衣服製造のすべての需要を満たすには程遠い。

fabric

かといって、化繊を選べば洗濯の度に何百万というマイクロファイバーが放出される。繊維一つとっても「これを選べば大丈夫」というものはなく、よくある天然素材や自然由来などの製品にもそれぞれに良い面、悪い面があり、一筋縄では解決できない。また、原材料の生産から廃棄まで、長いプロセスがあるため、一つの過程だけを取り上げて「エシカル!」と言い切ることもできない。しかし、こうした複雑な側面を理解することこそ、本質的な解決策を考える力になるのではないだろうか。

暮らしや仕事に活かすヒントを見つける機会に

unisteps共同代表理事である竹村伊央さんによると、受講者はすでに100人を超えているという。「生きていく以上、ファッションは生活の一部でもあるため、より深堀をして考えていきたいと思いました」「エシカルファッションというと、どうしてもフェアトレード、ファストファッションのことを考えがち。環境負荷やアフターインパクトのことは、もっと世間に知られていいことだと思った」といった感想が寄せられている。筆者自身も、服を買った後のケアが服の寿命を大きく変えることを知り、日頃の習慣を猛省する機会となった。

「講座で得られるのは『考える材料』なので、自分なりに考え、行動するきっかけとして活用してもらえると嬉しいです。ビジネスの要素としてでも、個人の生活のヒントとしても活かせてもらえれば幸いです」と竹村さん。

エシカルファッションへの取り組みは、まずは知ることから。第1回目の募集は2020年7月29日までだ。エシカルファッションに関する疑問やモヤモヤを解決したり、暮らしや仕事に活かせるヒントを探してみたりする機会として活用してみてはいかがだろうか。

豊島株式会社調べ(2019年9月)

【参照サイト】unisteps エシカルファッション講座