シンガポール発、地元農家に収入をもたらすサステナブルなインスタント食品「WhatIF Foods」

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地球温暖化と人口増加によって、食糧の安全保障問題が懸念されている。ハーバー・ボッシュ法によってより効率的に農作物を生産できるようになったものの、このまま世界の人口増加が進み、大きく変化する環境に植物が耐えきれなくなってしまえば、全世界的な飢餓問題は免れない。目の前の食糧危機問題に、私たちはどう対応していけば良いのだろうか。

シンガポールの食料ベンチャー企業・NamZは、サステナブルな食料品ブランドWhatIF Foodsをローンチした。“furure fit”と名付けられたこのコレクションは、気候変動の激化に伴う劣悪な土壌、乾燥した天候など、厳しい環境に強い作物を原材料に使用する。同社は、地域の農業コミュニティ、消費者の健康的な食生活を支援しながら、食料自給率が約10%であるシンガポールの食糧安全保障の強化に邁進している。

Image via WhatIF Foods

原材料以外の工夫も見過ごせない。WhatIF Foodsでは、シェイクや麺類、スープなど6種類の製品を販売。シンガポールの食生活には頻繁に登場するインスタント食品だが、WhatIF Foodsの製品はそのどれもがスーパーで並んでいるものよりも栄養バランスに優れている。麺類にモリンガなどのスーパーフードが素材に使用されているほか、材料を高タンパク質なものへと変更したり、食品加工の過程でノンフライヤーを使用したりと、より健康的なオプションを採用しているのだ。

WhatIF Foods

Image via WhatIF Foods

気候変動に強い作物を使った農業の多様化には、プラスの社会的影響もある。荒廃した土地で耕作作業を行う農家のコミュニティに新たな収入の機会を生み出すのだ。現在、同社の試験工場はマレーシアのジョホールバルを拠点としているが、今後はより多くの現地農家と提携し、経済的な所得を生み出す機会を提供しながら、放棄された土壌や工場などの資産を再生させる計画も立てている。

今回紹介したNamZの活動は、新型コロナウイルスをはじめとする未曾有の変化を世界中の人々が経験するなかで、人類がいかに健康的に生き抜いていくか、その生存戦略でもあるだろう。また変化の只中で、安定した収入が途絶える可能性がある農家に対して、貧困から脱却するチャンスを提供している。都市で暮らす人にとって身近な「インスタント食品」に目をつけ、より健康的な原材料・調理法を用いて商品を製造したことで、忙しい人が少しでも健康的な食事を選択できるようになったというのも大きなポイントだ。

シンガポールでは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックに先立ち、気候変動への適応キャンペーンの一環として、現地の生産能力を高める計画が立てられていた。政府は外部からの供給ショックを防ぐことができる食糧ソリューションに特化して、さらに2,100万ドル(約22億6000万円)を投資することを決定している。新型コロナの影響で、食糧に関するリスクがますます高まるこの時代、地元の農業を支援し、地元の人の健康を応援するNamZの取り組みは、問題への一つの突破口になるのではないだろうか。

【参照サイト】NamZ
【参照サイト】WhatIF Foods

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