【ポップアップストア8/4~16開催】世界のクリエイティビティとサステナビリティが出会う場所

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サステナブルにファッションを楽しむにはどうしたらよいか。そこには、再利用素材の活用、製造工程の見直し、透明性の構築、カーボンオフセット、循環型の採用、社会的メッセージの伝達、文化継承など、様々なアプローチが存在する。それと同時に、ファッションが本来持つアートとしての要素も、クリエイティビティを通して感じたい。

それを体感できるポップアップストアが、8月4日から16日まで、東京の渋谷パルコ1階で開催される。代々木上原にあるデザイナーブランドのセレクトショップ、DELTAがこの度立ち上げたプロジェクト、”BREATH BY DELTA” の本格的な始動である。

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Image via DELTA

DELTAは2004年東北沢にオープン、2008年に代々木上原に移転し現在に至る。2011年に姉妹店の12XUを代々木上原にオープン。積極的に若手ブランドにフィーチャーしたポップアップイベントを開催する。ほかにも、辺野古基金やオーストラリア森林火災などへの寄付を目的としたチャリティイベントを開催。また、選挙期間中には選挙割を実施するなど、ファッションを通して社会問題に興味を持ってもらうためのイベント・活動を定期的に行っている。

プロジェクト名に込められているコンセプトは「BREATH」=「呼吸」=「生命」。「SUSTAINABILITY/HUMANITY<地球環境と人権>」をテーマにセレクトされたアイテムが並ぶ。建築家・永山祐子が担当する空間デザインは、リユース可能な素材を用い、会期後の廃棄物なども極力減らすデザインを実現させた。

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Image via DELTA

今回世界中から10のブランドが集まった。それぞれが異なる視点からサステナビリティに向き合い、独自のスタイルを作り上げる。このポップアップストアでは、世界の名門ファッションスクール出身者や有名デザイナーブランドでの経験を背景に持つブランドも多く取り扱われる。特異とも言えるラグジュアリーやクリエイティビティを見てきた彼らが、サステナビリティと向き合うと、どういった創造が生まれるのか。まるでファッション展示のような環境だが、全ての商品が購入可能だ。特に注目したいブランドをピックアップしてアルファベット順で紹介しよう。

着ている人に合わせて順応する服 ARYS(エリス)(ドイツ)

2017年にベルリンで本格デビュー。大量消費されるファッションに疑問を感じて、当時26歳の青年が立ち上げた”Fusion Wear” ブランド。サステナブルで機能的な素材を積極的に採用し、”For Daily Use Only” =日常のために作られたウェアを提案する。日によってシチュエーションが違う日常であっても、服自身が服の用途を決めるのではなくていい、着ている人に合わせて服が順応する、というメッセージを届ける(ブランドサイトインスタグラム)。

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テクノロジーを駆使しサステナビリティと向き合う HATRA(ハトラ)(日本)

デザイナー・長見佳祐により2010年に立ち上げられたユニセックスブランド。 「部屋」を主軸に居心地の良い服を追求し、ポータブルな空間としての衣服を提案する。 現在では3D縫製シミュレーションソフト ”CLO” の応用を通し、新しいファッション表現を模索している。

今回のポップアップでは、ファッションの研究を行うSynflux(シンフラックス)とのコラボレーション第2弾もお目見えする。200万枚の画像をもとにAIネットワーク上で生成された「架空の鳥」のイメージをダブルジャガードで表現しており、それぞれ表情の異なる4柄は共通の6色の原色糸から成る。同じマテリアルを同じニットマシンから編み立て、生産工程の負担とロスを抑える、テクノロジーを駆使するこれからの時代のプロジェクトとなっている(ブランドサイトインスタグラム)。

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マイノリティがクリエイティビティに託したメッセージ KIDS OF THE DIASPORA(キッズ・オブ・ディアスポラ)(オーストリア)

ヨルバ民族の血を継ぐ娘としてオーストリアにある白人ばかりの村で育ったレニ・チャールズ(Leni Charles)によるクリエイション。性別・ジェンダーや皮膚の色を問わず、多様性を認め合い、誰もが自由のために、自由に自分のあり方を選べる、すべての文化を受け入れる寛容性をメッセージとして発信する。マイノリティとそのボーダーラインの概念とは何か?という疑問を投げかける(ブランドサイトインスタグラム)。

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ヴィーガンでサステナブルなフットウェア NODO(ノード)(韓国)

ロンドンでデザインされ韓国で製造される新世代のグローバルブランドとして、ペットボトルのリサイクル糸仕様のニットシューズを作る。通気性が良く履き心地と軽さを追求した上に、レザーを一切使用せず、独自の製法技術で廃棄を最小限に抑え環境への負担に配慮。フラットシューズは丸洗いでき夏にも嬉しいアイテム。デイリーにも仕事にも、またコンパクトなので旅行などにも適している(ブランドサイトインスタグラム)。

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とことん環境負荷削減に取り組むレッグウェア SWEDISH STOCKINGS(スウェディッシュ・ストッキングス)(スウェーデン)

スウェーデン発のサステナブルレッグウェアブランド。リサイクル素材を100%使用するだけではなく、太陽光エネルギーを使用する工場で生産し、排水をクリーンにする、廃棄物を出さないなど環境保全に取り組む。パッケージの箱やビニールもリサイクル可能な素材を使用。最近ではストッキングをリサイクルした素材でテーブルを販売開始するなど、革命的なクリエイションを続けている(ブランドサイトインスタグラム)。

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今あるものにアートで新たな息を吹き込む TWEO(トゥー)(日本)

ファッションデザイナー、アーティスト、グラフィックデザイナー、スケーターがチームとなり、それぞれの日々の中から遊ぶようにオリジナルのメンズウェアやスケートボードデッキ、ウェアを制作し発表する。アーティストEMILIANO BERNARDINIの作品から作り出される1点もののペインティングアイテムを中心にコレクションを展開するメインプロジェクト『TWEO MENS』と、アメリカGENERATOR社との協業による限定60枚のスケートボードデッキと、リメイク、ハンドドローイングのウェアをシーズンレスで発表するサブプロジェクト『TWEO SKATEBOARD』の2つのラインを展開。BREATH BY DELTA では、「今この世に存在するものを生かす」という点にフォーカスし、アップサイクルしたビンテージにリメイクを施し再構築されたアイテムが並ぶ(ブランドサイトインスタグラム)。

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今回のポップアップストアは、世界におけるファッションキャピタルの一つである東京で、世界中から集まる新しい風に触れることができる、またとない機会である。BREATH BY DELTAのプロジェクトは始まったばかりであり、今後キャラバンのように日本国内の他の土地にも訪れることも想定している。新型コロナウイルスの感染拡大状況も考慮しつつ、興味がある方はぜひ訪れてみてはいかがだろうか。

イベント詳細

名称 BREATH BY DELTA
場所 渋谷パルコ 1階(東京都渋谷区宇田川町15-1)
日程 2020年8月4日~8月16日
時間 11:00~21:00(※館の営業時間に準拠)
インスタグラム https://www.instagram.com/breath_by_delta/
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