近年、人々の環境意識の高まりから、あちこちで「SDGs」を掲げる企業が増えた。しかし、環境に配慮しているように見せかけ、実態はそうではない商品やサービス、取り組みも多く存在する。あなたは企業の環境影響に関して、消費者に誤解を与える行為「グリーンウォッシュ」をご存知だろうか?
グリーンウォッシュとは、環境に配慮した、またはエコなイメージを思わせる「グリーン」と、ごまかしや上辺だけという意味の「ウォッシュ」を組み合わせた言葉だ。スペインのデザインスタジオQuatre Caps(クアトロ・キャプス)は、一見よく見えるエコ商品に気を付けなければいけないことや、情報を疑い、賢い消費選択をすることの大切さを食品アートで描いている。
一連の作品は、労働搾取や環境破壊などの犠牲を払って成長を追求するシステムに批判的な立場にある「デ・グロース(脱成長)」という言葉にちなみ、「#degrowth」と名付けられた。「#degrowth」では、オーガニックだけど輸送に大きな環境負荷のかかるフルーツ、環境に悪影響を与えるような農業技術、オーガニックだけど過剰包装など、一見「エコ」で健康にも良さそうな食品の隠された矛盾がテーマとなっている。
Quatre Capsは、商品の環境への配慮をあらわす「ラベル付け」のシステムが、消費者に誤解を与えることを危惧している。たとえば、輸送時のCO2排出に関する情報は伏せられているのに、天然素材やリサイクル素材を使っているだけで「環境にやさしい」とラベル付けされる可能性があるのだ。
商品やサービスがグリーンウォッシュだと気づくためのポイントは、他にもいくつかある。
- サービス、商品に関係のない「緑」の画像が使われている(自然の写真や、緑色の包装など)
- 何の根拠もない「認証済み」「エコ」「省エネ」などの表現
- 無関係な訴求ポイント:
特定の化学薬品をつかっていないとアピールしているが、それは何年も前に使用が禁止されたものである。また、動物実験を行っていないと言っていても、動物実験が義務付けられた中国のような国では意味をなさない。 - 「悪」と比較して正当性を訴える。オーガニックたばこの販売など
環境にやさしくありたいという善意と、実際に環境にとってよい選択をする善行は違う。グリーンウォッシュな商品を世に溢れさせないために、企業の出す情報を鵜吞みにせず、主体的にどの商品・サービスが本当に環境にやさしいかを調べてみることを心がけたい。
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【参照サイト】#degrowth
Edited by Kimika Tonuma