「正しさ」を一方的に定義しない。社会課題解決のための共創プラットフォーム「THE VOTE」始動

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エシカルやサステナビリティなどといった、ソーシャルグッドの領域は近年世界的に大きな広がりを見せている。廃棄プラスチック問題や食品ロスをはじめとした社会課題が顕在化する中で、具体的に何をすれば解決に近づくのかモヤモヤしている人も少なくないのではないだろうか。加えて、国内外を問わず様々な情報が発信される中で、「ソーシャルグッド」の捉え方自体も多様になってきている。

しかし、一方向からの「正しさ」を盲目的に信じ込むことは、結果的に二項対立を生んでしまう。例えば、エシカルファッションの分野においては、「ファストファッションブランドが環境問題や労働問題を引き起こしている」という印象が先行し、これらのブランドに対してネガティブな反応がされがちだ。そうしたブランドがエコな取り組みをしていたとしても、それを「グリーンウォッシュ」だと捉え、ネガティブなイメージに拍車がかかる。しかし、Fashion Revolutionの調査によると、ガバナンス(経営管理)やトレーサビリティなどの観点ではファストファッションブランドの取り組みは高く評価されているのだ。

このように、どの視点に立つかによって「ソーシャルグッド」への捉え方も変化する中で、より広い視野で社会課題を考える必要性がある。そして、その助けとなるのが、「曖昧さ」を許容する行為だ。今回は、この「曖昧さ」をテーマとしたアートやクリエイティビティの活動をご紹介する。

the vote

かねてからクリエイティブを通して国内外のサステナビリティを推し進めていたRIDE MEDIA&DESIGN株式会社は、アートの力で社会課題を解決する共創プラットフォーム「THE VOTE」を先行公開した。

THE VOTEは「ひとりひとりの視野の広がり」をテーマに、クリエイティブを通した社会課題解決に注力していく。ディレクターの佐藤祥子氏は、「これまでのソーシャル領域のイメージや一方向からの『正しさ』に囚われず、自分たちが信じる想いを貫いてクリエイティブな解決方法をとっていきたい」と話す。「THE VOTE」という名前は、未来は個人の選択次第であり、自らの行動で変えていこうという意味合いでつけられた。また、アイデンティティとして掲げるキーワード「Break off the Edge」と頭文字がダブルミーニングにもなっている。

佐藤氏自身、これまで数々のサステナビリティ関連のプロジェクトを経験する中で、マーケティングに頼りすぎたがゆえに、コピー&ペーストな表現でクリエイティビティやオリジナリティが重視されていない状況に問題意識を抱えてきた。加えて、「正しさ」が一方向からの観点で盲目的であり、同業のプレイヤーにおもねりすぎている既存のソーシャル領域のプロジェクトやプロダクトに対しても違和感を覚えてきたという。ソーシャル領域の変革にはカルチャーやアートの視点が不可欠だと考える中で、「THE VOTE」の構想ができあがった。

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「THE VOTE」は、クールでエッジの効いたクリエイティブや新世代アーティストとのコラボレーションにより、ソーシャル領域の既存イメージをアップデート。カルチャーやアートに根ざしたアプローチで、社会課題に紐づく価値観を問い直している。

プロモーション映像は、トップメゾンのファッションフィルムも手掛けるアーティストの Nakamura Soshi氏がプロデュース。先行特典となるAR映像は、機械学習を用いた幻想的なAIアートでその活動の幅を広げる、現代美術家のkishi yuma氏が手掛ける。

また、クリエイティブの手法としては、具体的な商品を通じてリアルとバーチャルを繋ぐ設計を採用。ワイシャツのQRコードからログインできる共創プラットフォームは、従来のエシカルのイメージを覆す先鋭的なデザインにすることで、ミレニアル・Z世代を中心としたカルチャームーブメントの創出を目指している。

また、このプラットフォームには環境やエネルギー、ファッションといった多領域の新世代活動家も参画した。行政・企業・団体・個人が一同に介するオンラインスペースでは、署名活動やプラットフォームで開発した商品の購入、クラウドファンディングなど、社会課題解決のための共創ができる。

そして、今夏「視野の広がり」をテーマに参加型のキャンペーンが始動。行動が制限される日々のなかで、参加者ひとりひとりが部屋の窓から見える風景を動画で撮影し、撮影された数百枚の風景をAI(人工知能)に学習させ、この世界で誰も見たことがない未知の風景を創り出す。参加者は、後日届けられるワイシャツの背中にあるQRコードから、その映像を使用したAR作品を体験することができる。

多元的な「正しさ」を考える中で、今までとはまた違ったアプローチで社会課題の解決を目指すTHE VOTE。多様なバックグラウンドを持つ人々が交流する中で、ポスト/ウィズコロナ時代のソーシャルグッドに向けた大きなヒントが得られるはずだ。そして現在、8月27日(木)までTHE VOTEの先行応募が始まっている。取り組みに興味のある方は、ぜひチェックしてみてほしい。

[THE VOTE先行公開 応募フォーム]https://form.run/@rmd-1595304571

[期間]
・応募受付: 2020年7月30日(木)~ 2020年8月27日(木)まで
・商品発送: 2020年9月23日(水)以降、順次発送

[募集人数]100名 ※応募者多数の場合、抽選

【参照サイト】「THE VOTE」プレスリリース

Edited by Megumi Ito

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