トイレットペーパーで性教育。誰もが性被害を打ち明けられる社会に

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皆さんはどのようにして「性教育」を受けてきただろうか?また、これまで自分が十分な「性教育」を受けてきた、と考える人はどれくらいいるだろうか?

日本の学校での性教育は大体10才頃からであることが多いが、 実は世界の性教育開始のスタンダードは遅くとも5才(※1)だという。

性に関する情報源の調査(※2)によると、「学校の性教育」で知識を得たと答えた人はたった10%であり、その他の回答は、友達(31%)、漫画(18%)、雑誌(10%)、アダルトサイト(9%)であった。小学校や中学校など、学校の授業の中で十分な学びが得られていないと解釈できるかもしれない。実際、日本の公教育での性教育の内容は限定的だと言われることもある。

友達や漫画、雑誌やwebサイトなどからの情報には偏りがあり、必ずしも信頼できる情報とは限らないが、学校現場も親もどう性教育をすればいいか分からない。そんな悩みに答えるべく立ち上がったのが、一般社団法人ソウレッジだ。同社は「性教育トイレットペーパーとおしえ方ガイドブック」を通して、子どもたちが幼い頃から性について学ぶことができる機会を提供している。現在は、特に性教育から遠い可能性が高い、ひとり親や貧困層の子どもたち(※3)に無料でトイレットペーパーを届けるためのクラウドファンディングを実施中だ(詳細はページ下参照)。

ソウレッジのメンバーは、プライベート空間が保たれており、周囲の目を気にしなくてもよく、かつ暇な時間がある「トイレの時間」に目をつけ、トイレットペーパーを使った性教育の形を考案した。

image via 一般社団法人ソウレッジ

また、医師や専門家、当事者の監修の下作成されたガイドブックは子どもでも読みやすい言葉とイラストで、分かりやすく性について伝えている。

image via 一般社団法人ソウレッジ

被害を受けたことを相談すると、「思わせぶりな態度を取ってたのでは?」「隙を見せたのはあなたじゃないの?」といった言葉を投げかけられ、自分が悪かったと思い込み悩んでいる人や、知識がないために性被害に遭ってもそれが性被害だと気付かない人が多くいる。

安心して性被害を打ち明けられる環境をつくり、性被害を自己責任とする今の社会を変えていくために、子どもたちが知識を得ることは大事なことだ。トイレットペーパーという誰もが使う身近な生活必需品要を通し、生きていくために必要な知識を届けるソウレッジのプロジェクト。性に関する暴力や犯罪で苦しむ人を減らし、より良い社会をつくるためのきっかけとなるだろう。

※1 UNESCO UN urges Comprehensive Approach to Sexuality Education
※2 NPO 法人ピルコン 性教育についてのアンケート集計結果
※3 参考:厚生労働省「平成28年国民生活基礎調査」

<5歳からの性教育を全てのこどもに!>
一般社団法人ソウレッジが現在挑戦中のクラウドファンディングの情報はこちらから。
Good Morning 5才からの性教育を全てのこどもに!
※支援は2020年8月29日まで。

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