まち全体がサステナビリティを学べる分散型シアターに。「⼤丸有SDGs映画祭2020」

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新型コロナウイルスの感染拡大により、都市そのもののあり方が改めて問われている。人・資本・情報が集積し、国内外からの移住者も多い東京は、街中の施設や電車をはじめとしたあらゆる場所が混雑している「過密都市」と捉えられるようになった。人の動きや経済が停滞しているいまだからこそ、「どのように都市の持続可能性を高めるのか」「生活者が心地良く感じる都市とはどのような場所か」という問いについて考えていく必要があるだろう。

ただ効率的な設計になっているだけではなく、自然と触れ合うことができ、深呼吸ができ、仕事がある日でもリラックスできるということは、生活空間をつくり出す上で重要な要素だ。そして、自然と人々が無理なく共存できる環境について考えるとき、SDGsは大きな指標となってくる。三菱地所を中心としたSDGs ACT5は今回、そうした都市の持続可能性を考えるきっかけを作ろうと、SDGsを切り口とした映画祭を企画した。会場となるのは、東京屈指のビジネス街である大手町・丸の内・有楽町(以下「大丸有」)エリアだ。
SDGs映画祭2020
映画祭が実施されるのは8月31日(月)から9月5日(土)の6日間。大丸有エリアの商業施設や公共空間、コワーキングオフィスなど計12ヵ所にその期間だけ小さなシアターが現れる。

上映される映画は24作品。捨てられてしまう食材を救出し、美味しい料理に変身させようとする主人公の奮闘を描く『0円キッチン』や、気候変動によって世界各地で起きている劇的な変化の真相を追究する『地球が壊れる前に』など、多岐のジャンルに渡る。すべての映画に共通するのは「ノンフィクション」の作品であるということだ。

今回の映画祭を企画した三菱地所のサステナビリティ推進部・長井頼寛氏は、SDGsを広く伝えるために「映画」という手法をとった理由について、こう語る。

「映画という誰もが親しみやすいツールを通じて、世界で起きている多様な問題の現場にさらされる人、生物、環境の声や顔にリアルに触れることができます。グローバルイシューの背景を知っているか否かの差はとても大きく、それぞれの企業の事業に対する姿勢にも影響が出ると考えています。今回選んだ長編作品全17作品や短編作品24作品はそのリアルな姿に触れ、感じることができるものばかりで、映像を通じて、共感することでSDGsに向き合う姿勢や、達成に向けた想いも変わってくるのではないかと思っています。」


大丸有エリアはかつて金融を中心とするビジネス街であったが、現在は多くの国内外ベンチャー企業も拠点を置くようになり、それらの企業のコラボレーションが日々新たな価値を生み出している。「ビジネス街で映画」は一見イメージしにくいものだが、仕事帰りに映画を通じて社会問題に触れ、のちにそれを周囲の人とシェアすることで、新たなインスピレーションを得られるかもしれない。

かつては何の違和感もなく満員電車に揺られ通学・通勤していた人の中には、新型コロナの影響で生活スタイルが一変し、「このままの生活で本当に良いのだろうか?」と疑問に思った人もいるだろう。これからの生活様式について、一人で根詰めて考えていると苦しくなることもあるが、世界の現状や実際に行われているアクションを、映像を媒介に知ることで、楽しみながら変化のきっかけを得ることができるはずだ。

会場では入場者数制限や体温検査などの新型コロナ感染予防が行われており、鑑賞はすべて事前予約制だ。また、大丸有エリアまで足を運べない人のために、オンライン配信も用意されている。SDGsについて興味のある方は、ぜひ参加してみてはいかがだろうか。

【事前予約フォーム】https://act-5.jp/act/filmfest/
【参照サイト】大丸有SDGs ACT5 公式サイト

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