大切な人に贈るプレゼント。何を贈ったらその人のためになるのか、その人が喜んでくれるのか、悩んでしまう人も多いだろう。たまには趣を変えて、身を守るためのギフトはいかがだろうか。
ギフト商品の企画・販売を手がけるソウ・エクスペリエンス株式会社が、自宅避難準備のきっかけを贈る「体験して備える防災ギフト」(販売価格:1万2,500円)を11月17日に発売した。自宅での避難生活について書かれたブックと、防災グッズを一つ取り寄せることのできるチケットのセットだ。
ギフトブックには、自宅での防災の方法について「暗闇体験」「非常食ランチ」「自宅で水探し」「非常用トイレ」「発電&チャージ」の5つの観点から、備えのコツを綴っている。また、今のうちに一度試しておくことで防災への知識や危機管理能力を高めてほしいという想いから、身の回りのものや便利な防災グッズを使って「自宅避難」を実践する方法を掲載している。
チケットは「LEDランタン」「グルメ非常食」「非常用トイレ&浄水器」「手動発電機」の4つの防災グッズから一つ選んで注文できるもの。ギフトブックを読み、家で災害のシミュレーションをしたうえで自分の家に必要なものを把握し、グッズを取り寄せる。この一連の流れを行うことで、誰もが災害に備えることができるのだ。
このギフトが開発された背景として、大きな災害が起きた場合、80%の人が公的に指定された避難所ではなく、自宅での避難生活を経験していることがある(※1)。もちろん地震や津波、火事などで自宅が危ない状況ならすぐに離れるべきだが、生き延びたあとに生活のために自宅に戻る人もいるだろう。
現在、学校の体育館など、一時的な避難所の定員は限られている。東京だと人口1,387万人に対し、避難所が2,964か所(協定施設等を含む)。受け入れ可能な人数はわずか317万で、約8割の人が避難所に入れないことになる。万が一避難所に入ることができたとして、安全や健康が保たれるという保証もない。そのため、ますます「避難所に行かないための準備」が必要になる。にもかかわらず、実際に災害が起こる前に十分な準備をしている人は少ない、とソウ・エクスペリエンスはプレスリリースで述べる。
この「体験して備える防災ギフト」は、家族や友人など大切な人に贈ることで、自分ではなかなかする機会のない自宅避難の準備をする「きっかけ」だ。人から贈られたからこそ、やってみようと思う人もいるだろう。防災グッズについては、家族構成や自宅の状況によって何を買うべきかが変わるため、チケットで選べることも嬉しい。
来年2021年は東日本大震災から10年目。さまざまな災害に対し、また関心が高まっていく年となるだろう。より多くの人が自宅での避難に備え、贈られた人が本当に必要なものを受け取ることができる。そんなギフトの今後の展開が楽しみだ。
※1 東京都防災ホームページ「避難所及び避難場所」
【参照サイト&販売サイト】Sow Experience 体験して備える防災ギフト