お支払いは「ごみ」で。ビーチ清掃でお菓子がもらえる、韓国のフードトラック

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世界中で関心が高まっている海洋ごみ問題。気になってはいるものの、自分に何ができるのかがわかっていない、行動するにしてもちょっとハードルが高い……と感じる方もいるのではないだろうか。

そんな海洋ごみ問題の解決に、ユニークな方法で取り組んでいるのが、韓国の「SEANACK」キャンペーンだ。これは、ビーチのごみを集めると、そのごみと引き換えに海洋生物の形をしたスナック菓子がもらえるというもの。SEANACKという名前はSEA(海)とSNACK(スナック菓子)を掛け合わせて作られた造語だ。

このキャンペーンは、K-Green財団・韓国観光公社・ロッテ百貨店が提携し行っており、7月末から4週間にわたり、韓国の4ヶ所のビーチで開催された。

キャンペーン参加のステップは以下の通りシンプル。事前登録も必要ない。

  1. SEANACKトラックからビーチクリーンツールをレンタルする
  2. ビーチに捨てられているごみを拾う
  3. ごみの重さを測る
  4. お菓子がもらえる

集めたごみの重さごとに貰えるお菓子の量が決められており、ごみを集めるほどより多くのお菓子を貰える仕組みになっている。

SEANACKの魅力はお菓子がもらえるだけでなく、ふらっときた人も気軽に参加しやすいオシャレなイベントであること。トラックやビーチクリーンツールは、ついつい写真を撮って、SNSに載せたくなるようなデザインだ。参加時の写真をInstagramにハッシュタグ付きでアップすると、竹歯ブラシや固形歯磨き粉がもらえる特典もある。

また、期間中にビーチへ行けない人のために、オンラインで参加する方法も用意されている。ごみ拾いをしている写真をInstagramにアップすると抽選でプレゼントがもらえるキャンペーンだ。気軽に参加しやすくすることで、海洋ごみ問題の実態を多くの人に知ってもらえるきっかけになるだろう。

海洋ごみはプラスチックだけでも、毎年少なくとも800トン以上が海に流出しているとされている。これはジャンボジェット5万機相当の重さだ。プラスチックは一度海に流れると半永久的に分解されないため、プラスチックを食べた海洋生物の生態系を脅かし、その魚を食べた人体にも影響を及ぼすとされる。さらに2050年には海洋プラスチックごみの量が、魚を上回るという衝撃的な研究結果も発表されている。

地球にいいことを実践しようとすると、難しく考えてしまいがちだが、まずは身近で出来ることから。SEANACKのように楽しみながら取り組める機会が増えることを期待したい。

【参照サイト】SEANACK
【参照サイト】CHEIL WORLDWIDE SEOUL’S SEANACK CAMPAIGN TURNS COASTAL WASTE INTO A CURRENCY TO BUY SNACKS
【参照サイト】WWF 海洋プラスチック問題について
【関連ページ】海洋プラスチック問題

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