スウェーデンのオーガニックブランド食品ブランドKRAVは、ある斬新な仕掛けを施したレシピ本を制作した。食材や料理の写真が一切載せられていないレシピ本「No bees. No food.」だ。
スタイリッシュな見た目のこの料理本は、スウェーデンの一流シェフや料理家たちからレシピを集めて制作されているが、シェフたちが作る料理は、紙面には一切載っていない。それはなぜか……？
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国際連合食糧農業機関（FAO）の調査（※1）によると、人間活動の影響によって、現在の種の絶滅率は通常の100倍から1,000倍に達している。そのため、地球上のすべての昆虫は、今後100年以内に絶滅する危機に瀕しているという。
そうした現状を受けて、KRAVは、「食の写真を消した」レシピ本をつくった。いつも当たり前に食べている食材が「消えうる可能性」を伝えたい──そんな想いからつくられた「生物多様性のない未来」を危惧するレシピ本だ。
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KRAVは、日々失われている生態系の危機について、より多くの人々の関心を高めるため、今回、料理本を制作した。この施策の概要を説明する動画（※2）の冒頭は、まるで森の中にいるかのようなリラックスする音と共に、次のようなフレーズで始まる。
「現代人が日々食べている多くの食品は、ハチをはじめとした虫を介して行われる受粉によって生み出されています。ただ、年々その数は減少しています。いずれ、ハチやその他の生物がもしいなくなる時が来たら、私たちが普段食べている食材は、目の前から消えてしまうでしょう」
一見、些細な変化や日々の小さな行動に思えることでも、その一つ一つの変化は、社会に大きな影響をもたらす。
農薬をなるべく使用していない有機野菜を選択する。自然を破壊するリスクを減らせるよう、ごみの分別をする。目の前の行動を選ぶことは、生きたい明日を選ぶことと等しいのではないだろうか。
※1 国際連合食糧農業機関（FAO）FAO’s Global Action on Pollination Services for Sustainable Agriculture
※2 Ads of the World KRAV No bees. No food.
【参照サイト】KRAV公式HP
【参照サイト】Ads of the World KRAV No bees. No food.
【参照サイト】KRAV and top chefs release cookbook without food to highlight — the lack of — biodiversity
Edited by Tomoko Ito
