100万匹のミツバチと寝泊まり。生態系の大切さを体験できる「Air Bee & Bee」

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初めて聞く人が多いかもしれないが、毎年5月20日は「世界ミツバチの日」だ。これは、2017年に国連が採択した比較的新しい国際デーで、ミツバチなどの花粉媒介者の重要性や、それらの生物が直面している課題に意識を向けることを目的としている。

民泊仲介サイト大手のAirbnbは2022年5月、世界ミツバチの日を祝福する、100万匹以上のミツバチと過ごせる宿泊施設が掲載されたと発表した。掲載したのは、イタリアの養蜂家であるロッコ・フィロメノ氏だ。

宿泊施設の名前は、Airbnbにちなんだ「Air Bee & Bee(ミツバチ & ミツバチ)」。フィロメノ氏のオリーブ農園のなかに建てられている。施設の外壁に9つの養蜂箱が取り付けられており、宿泊客は部屋の天井に設置された箱の外から、ミツバチを観察することができる。

Image via Airbnb

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宿泊客はミツバチのブンブンという音に包まれながら眠ることになるが、フィロメノ氏によると、その音で心が落ち着くこともあるという。これを機に挑戦してみてもいいのではないだろうか。Air Bee & Beeのハウスルールによると、0~12歳の子どもには不向きとのことだが、ペットは歓迎している。

同施設は、イタリアのNGOであるWonder Grottoleの協力を得て建てられており、施設の収益は同団体のミツバチ保護プロジェクトに回すという。Wonder Grottoleは、グロットレという村の活性化を目指す団体で、Air Bee & Beeはグロットレの近くにある。

Image via Airbnb

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Air Bee & Beeには電気、水道、Wi-Fiがなく、まさに日常から離れた体験ができる。ソーラー充電式のLEDライトが提供され、冷蔵庫がない代わりに保冷バッグを使うことができる。シャワーは、他の場所にあるものを使用できる。

Air Bee & Beeならではの嬉しいサービスは、フィロメノ氏が最初にミツバチとの過ごし方を教えてくれることと、朝食を提供してくれることだろう。朝食ではもちろん地元のはちみつが提供され、リコッタチーズ、いちご、自家製のビスケットも出してくれるそうだ。

気が散るものがほとんどない空間で、ひたすら豊かな自然と100万匹のミツバチに集中できるAir Bee & Bee。これだけ濃い時間を過ごしたら、またいつもの日常に戻っても、ミツバチの存在を忘れることはなさそうだ。

【参照サイト】Sleep in this Air ‘bee and bee’ in southern Italy
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