ご近所と繋がりたい人に。飲食代の代わりに「人を助ける」ことを約束するカフェ

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現代社会において、ご近所付き合いを頻繁にしているという人は、一体どのくらいいるだろうか。安全性の理由から、近所の人に対しても警戒せざるを得ない現代、さらに人と人との直接的な交流に不安が募るコロナ禍では、挨拶もままならず、ご近所付き合いの希薄化に拍車をかけている。

そんな中、イギリスのホームセキュリティ会社のRingが、興味深い調査結果を発表した。2,000人を対象とした調査では、パンデミックに伴うロックダウン中、近所のお年寄りの買い物を手伝ったり、隣人の犬の散歩を代わりにしたりと、近所に住む人同士の自発的な助け合いが生まれ、ロックダウンの制限が解除されてからも、多くの人が隣人への愛着が向上したという。

また同調査では、回答者の32%が地域社会で新しい人脈を得ることや、近所の人とのコミュニケーションの場として、地元のカフェを利用したいと考えていることが分かった。

Ring社はこのコロナ禍での調査をもとに、近くの人との助け合いを促進するカフェ「NeighbourGood Café(ネイバーグッド・カフェ)」をロンドン自治区・ハックニーに期間限定でオープンした。

Neighbourgood cafe

Image via Ring Youtube

このカフェでは、飲食代を支払う代わりに「近所の人を助ける」ことを約束する。地域社会のニーズは、そこで暮らす人々の数だけ多様であるとの考えから、カフェの商品と交換できる善行は、大きいものから小さいものまで何でも受け入れる。

例えば、日曜大工やガーデニングが得意な人は、フェンスの修理や手入れの行き届かない庭の手入れを手伝ったり、時間に余裕のある人は、隣人の買い物や犬の散歩の手伝いを、専門知識を持っている人は、困っている人に実用的なアドバイスをするなど、さまざまだ。さらには、新しく地域に越してきた隣人が困っているときに声をかけ、過ごしやすい雰囲気を作ることも善行になるという。

自分が提供できる善行を決めたあとは、専用の誓約書に記入し、カフェのコーヒーや軽食と交換できるシステムだ。また、軽食のメニューには、地元で生産された食材が使用され、訪問者は自分の暮らす地域の特色を深く知ったり、地元の生産者と繋がるきっかけを得られたりする仕組みもある。

ホームセキュリティの会社がカフェを開いたのは、不思議に思われる方もいるかもしれない。しかし人と人の関係性を遮断するきっかけになったロックダウンが、今まで見過ごしてきた身近な人との交流を盛んにする機会となり、結果的に周辺地域の安全性も守られるという良い循環が生まれていることは確かだ。

困ったときに生まれるアイデアに目を向けることで、より良い社会に変化するということを「NeighbourGood Café」が証明してくれている。

【参照サイト】NeighbourGood Cafe
Edited by Kimika

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