※本記事は、ハーチ株式会社が運営する「Life Hugger」からの転載記事となります。
2023年4月18日、東京都内で「日独ファッションシンポジウム2023」が開催された。
日独のファッション業界のノウハウの共有や経済交流の促進を目的に、ドイツ連邦経済・気候保護省が主催。会場にはドイツの企業によるイノベーティブな素材や製品が一堂に集められた。今回は、なかでも気になったブランドを紹介しよう。
ドイツのサステナブルブランド7選
Bal Designs(バルデザイン)
Bal Designs(バルデザイン)は、使用済みのバスケットボールを使ったユニークなバッグやポーチを手掛けている。一目でバスケットボールとわかるデザインはインパクト十分。廃棄されるボールをアップサイクルすることで環境や資源の保護に貢献できるため、イメージアップにも繋がる。
「サッカー王国」の印象が強いドイツだが、同社はドイツバスケットボール連盟と協力関係にあり、また、同社が本社を置くケルン近郊には学校やクラブチームなども多く、廃棄ボールを集めるバックグラウンドは十分だという。
素材の調達から縫製までをドイツ国内で行う。制作はほぼ手作業で、需要に合わせた小量生産を心がけている。
【ウェブサイト】Bal Designs (ドイツ語)
Erima (エリマ)
Erima (エリマ)はドイツを代表するスポーツブランドで、ジャージやトレーニングウェアからアクセサリー、用具に至るまで、アスリートやチームのニーズに応える幅広い製品を提供している。
同国のスポーツブランドといえば「アディダス」が有名だが、エリマは120年以上の歴史を持ち、欧州での知名度は高い。アディダスの傘下にあったが2005年から再び独立している。近年は、全ての合成繊維を再生品へと置き換えを進めている。今後、国際サッカー連盟が認証するフェアトレード認証も取得する予定だ。
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【ウェブサイト】Erima GmbH (ドイツ語)
GREENBOMB(グリーンボム)
GREENBOMB(グリーンボム)は2015年設立の新興ブランド。設立当初から「日々の生活を快適に過ごせること」をミッションに掲げ、着る人を選ばない、サステナブルなファッションアイテムを作り続けている。有機認証された素材を用い、耐久性と肌触りの良さも追求したオリジナル商品を展開。自社生産のため、最低注文数なし、高い利益率、在庫管理のしやすさなど、販売店にとって魅力的な条件提示を可能としている。
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【ウェブサイト】Greenbomb(ドイツ語)
シュテファン・ブラント
欧州らしく、品質や高級感にこだわるブランドも健在だ。ブラント・テキスタイル・ドイツランドが展開する「シュテファン・ブラント」は、最高品質で希少なピマコットンを主体にしたニット製品の高級ブランド。
創業者のステファン・ブラント氏は材料科学で博士号を取得しており、2012年、画期的な工程を生み出す事に成功。その結果、贅沢なピマコットンを最大限に生かす品質が生まれ、今ではブランド最大のセールスポイントとなっている。
【ウェブサイト】Brandt Textil Deutschland(英語)
EternaMode(エテルナモード)
こちらはドイツではないが、1863年にウィーンで創業したEternaMode(エテルナモード)も面白い。さまざまなカッティング、幅広い襟型と、袖丈を持つ高品質のシャツとブラウスを製造するブランドだ。一方で環境に優しくエシカルファッションの条件を遵守するメーカーでもあり、2000年、世界で初めて繊維の安全証明であるエコテックス認証の最高ランクを取得した。
現在では「OEKO-TEX® MADE IN GREEN認証(繊維製品および皮革製品について、安全で社会的責任のある労働条件の下、環境に配慮した施設で製造されたものであることを示す製品ラベル)」に対応。ほか、バリューチェーンの開示やカーボンニュートラル生産など、さまざまな施策を展開している。
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【ウェブサイト】Eterna(ドイツ語)
Otto (オットー)
サステナビリティ対応の素材では、Otto(オットー)がセルロース系繊維を製造。綿とセルロース繊維の紡績、染色を行っており、欧州の高級ブランドの採用実績も多い。
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【ウェブサイト】Otto Baumwollfeinzwirnerei GmbH + Co. KG(英語)
Rösch(ロッシュ)
1949年の創業以来、グローバルで品質にこだわる女性のために、高品質のナイトウェア、ルームウェア、ビーチウェアをデザインから製造まで一貫して行っており、「RÖSCH(ロッシュ)」と「Féraud(フェロー)」の2ブランドを展開している。1962年にRökona社を設立し、自動車や産業分野向けの革新的な工業用テキスタイルなど産業用途のハイテク繊維製品、ソリューション、サービスを開発・製造している。
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【ウェブサイト】Rösch GmbH(英語)
まとめ
ドイツのテキスタイル・ファッション産業はフランスやイタリアほど知名度はないものの、素材へのこだわりや技術力は、知るほど引き込まれる。製造業で振興してきた日本とは、親和性も高いのではないだろうか。
衣服回収への関心や、長く着られる服を選ぶなど少しずつファッションに関してサステナブルな視点を取り入れる生活者が増えてきている。海外の素晴らしい取り組みを知ることで、さらなる問題意識や気づきを持って選択できる人が増えてほしい。
【参照サイト】エコテックス