火葬よりエコ?イギリスで始まる水の葬儀「リソメーション」

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日々の暮らしの中で、できるだけごみを減らしたり、フェアトレードの食品を選んだりと、より良い社会になるような選択ができる機会も増えてきた。最近では、死んだあとの環境のことまで考える動きが出てきている。

IDEAS FOR GOODでは、これまで樹木葬堆肥葬など、オルタナティブな葬儀の方法を紹介してきたが、今後また一つ葬儀方法の選択肢が増えるかもしれない。イギリスで、火を使わない火葬の方法「水火葬(リソメーション)」が年内に誕生予定だ。

リソメーション(Resomation)は、「人体の生まれ変わり」を意味するギリシャ語“resoma”を語源とした埋葬方法で「水火葬」「アクアメーション」「アルカリ加水分解」など様々な呼び方がある。すでにアメリカの約30の州や、カナダ、南アフリカでは合法化されており、年内にアイルランドでも導入される可能性が高い。今回、イギリスの大手葬儀会社Co-op Funeralcareがリソメーションサービス開始を発表したことで、より注目度が上がりそうだ。

リソメーション

Image via Co-op Funeralcare

リソメーションは、一言でいえば薬品を使って遺体を溶かす埋葬方法だ。故人は生分解性の袋に入れられ、加圧水と少量の水酸化カリウムで満たされた容器に入れられる。遺体はおよそ150度で約4時間熱せられ、溶かされる。残った柔らかい骨は乾燥されて灰のような白い粉になり、遺骨はその後、親族に返還されるという仕組みだ。

現在、イギリスでは土葬と火葬が主な選択肢だ。今年、リソメーションが導入されれば1902年に火葬法が導入されて以来、埋葬や火葬に代わる初めての方法としてイギリスの葬儀に大きな変化をもたらすことになる。土壌汚染を防ぎ、埋葬する土地もいらないリソメーション。必要な電力は火葬の5分の1であり、二酸化炭素排出量も35%削減できるため、環境負荷を考慮すると、既存の選択肢よりもよいかもしれない。

リソメーション

Image via Co-op Funeralcare

イギリスのデータ分析会社であるYou Govが実施した調査は、「リソメーション」の認知度はまだ低いものの、今後選択する人が増える可能性を示唆している。イギリスの成人の89%が「リソメーション」という言葉を知らなかったが、どのような埋葬方法なのかを知ると、29%が自分の葬儀にリソメーションを選ぶと答えたのだ。さらに、過去5年間に葬儀を手配したことのあるイギリスの成人17%が、その時点でリソメーションが選択肢にあれば、愛する人の葬儀方法として検討したと答えている。

実際、アメリカでは「アクアメーション」というキーワードの検索が増加しており、南アフリカでは、聖公会司祭であり、反アパルトヘイト・人権活動家として知られていた故デズモンド・ムピロ・ツツ氏がこの葬儀方法を選択したことが大きな話題となった。

多くの人がサステナブルな葬儀方法に関心を寄せる中で、イギリスの大手葬儀会社がリソメーションを導入し、葬儀方法の選択肢は広がりそうだ。愛する人との別れはとても悲しく、つらい。しかしいつか必ずやってくる日に向けて、自分が納得する方法を、少しずつ考えていくのもいいかもしれない。

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【参照サイト】Co-op announces biggest change to funerals in over 120 years: Resomation to be available in UK

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