「太った?」「子どもはいつ?」性差別あるあるを気づかせる、女性が絶対に“遊びたくない“すごろく

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「太った?」「子どもはいつ生まれるの?」「もっと笑顔で!」このような他人からの何気ない一言にうんざりしたり、そんなこと言われても……と困った経験がある人も多いのではないだろうか?

そんな日々の中に潜む女性にとっての「罠」をすごろくにしたゲームが『No Worries If Not! (ま、気にすんな!)』だ。

このゲームは、特に女性が日常的に受けるプレッシャーをテーマにしている。ルールは非常にシンプルで、誰が一番先に『Everyone’s Happy and No One’s Mad Land(おこりんぼなしのニコニコ島)』に辿り着けるかを競うというもの。その島に辿り着くまでに、プレイヤーは「子どもを生むかどうか」の選択、「顔のしわ」などの見た目への指摘、子育てと仕事の両立など「マルチタスク」の困難さというような、女性にとっては「あるある」であり、かつうんざりする壁を乗り越えなくてはならない。

Image via Billies

Image via Billie

もちろんこれは現代社会で女性が直面する数々の理不尽に対する痛烈な皮肉だ。このボードゲームを作ったのはアメリカのボディケア・脱毛製品のブランドであるBillie。同社は女性が直面している外見や生き方への選択に対する社会的なプレッシャーがなくなれば、世界はより良い場所になると信じ、皮肉を込めてこのゲームをつくった。このボードゲームも「絶対にプレイしたくないゲーム」として打ち出しており、ユーモラスな形で女性が直面する差別にスポットライトをあてている。

最近は、外見至上主義を意味する「ルッキズム」への批判の声や、逆にありのままの体型を愛そうという「ボディポジティブ」といった言葉がよく聞かれるようになった。これらは見た目に関する差別で苦しんでいる人が存在することの裏返しだ。

では、他人を傷つける言葉を発するのは、悪気のある人だけかというと、必ずしもそうではない。無意識の内にできた偏ったモノの見方である「アンコンシャスバイアス」により、自覚がないままに他者を傷つけている可能性がある。つまり、誰しもが加害者にもなりうるのだ。

女性に対する差別は歴史的にも根深く、未だに続く社会課題だ。「もしこのゲームに勝ちたいのなら、一生プレイすることになる。それはあまりにも理不尽だ。勝者になれる唯一の方法は、自分のルールで生きることだ。」そんな想いが込められた「No Worries If Not!」は、ユーモアの力で社会課題への気づきを促し、また当事者のエンパワメントを高める好事例ではないだろうか。

【参照サイト】No Worries If Not: The Board Game
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Edited by Megumi

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