※IDEAS FOR GOODはWhat Design Can Doが開催するRedesign Everything Challengeのメディアパートナーです。
着ている服、住んでいる建物、働いているオフィス、さらには私たちの食料や移動を提供するシステムまで──私たちの身の回りのすべては、デザイナーによって“デザイン”されたものだ。ものの生み出す環境負荷の80%を決めるのはデザインだと言われており、そのデザインがいま、大量生産大量廃棄を引き起こし、気候危機など多くの問題を引き起こしているのが現状だ。
一方で、良いニュースもある。デザインされたそれらのものはすべて、リデザインできるということだ。デザイナーが世界の課題を理解し、デザインを根本的に変えることさえできれば、環境問題や社会課題に大きなインパクトを与えることができるのも明らかだ。
そんなふうにデザインの持つ力を信じ続けるのが、オランダを拠点にデザインを社会変革の手段として推進する国際的なプラットフォーム「What Design Can Do(WDCD)」だ。WDCDは、地球規模の課題に取り組むには想像力、コラボレーション、デザインが必要であるという考えのもと2011年以降、世界中の環境問題や社会課題に立ち向かうデザインアイデアを募り、優れたソリューションの実装までを行っている。
そんなWDCDが2024年1月17日、IKEA Foundationとのパートナーシップのもと、気候危機をテーマとしたグローバル・デザイン・コンペティション「Redesign Everything Challenge(すべてをリデザインする)」の募集を開始した。募集の対象となるのは、製品から素材、ストーリー、システム、サービス、スペースなど「デザイン」に関わるものすべてだ。
今年で5回目の開催となる今回のコンペティション。WDCDはこれまで、クリーンエネルギーや公害、難民の健康から廃棄物に至るまで、さまざまな環境問題や社会課題をテーマにしてきた。(昨年度「Make it Circular Challenge」の受賞者はこちら)今回のRedesign Everything Challengeは、名前の通りすべてのテーマを包括させている。これには、人類が直面している問題の多くが複雑に絡み合っており、個別に対処するのではなく、問題の関連性をホリスティックに見る必要があるというWDCDの考えが反映されている。
「Redesign Everythingは、私たちの世界がどのように再設計されるべきか、大小さまざまな視点で横断的に考えるよう促すものでもあります。今まで以上に、包括的で循環的、再生可能なソリューション、そしてデザインが持つ変革的で破壊的、そして癒しの力が必要とされています」
ーWDCD共同創設者のリチャード・ファン・デル・ラーケン氏とペピン・ズルブルグ氏(プレスリリースより)
応募にあたり、さまざまな視点を考慮に入れることを促すために、WDCDは、ブラジル、インド、日本、ケニア、メキシコ、オランダのパートナーの協力を得て、世界中のコミュニティが直面する課題の調査をプラットフォーム上で公開している。
コンペの評価基準は、「インパクト」「デザインと創造性」「実現性とスケーラビリティ」「チームとネットワーク」の4つ。また、WDCDは世界中の研究者の協力を得て、デザイナーが考慮すべき8つの重要なRを定義している。リフューズ、リデュース、リペア、リサイクルなど、廃棄物や汚染を防ぐ方法に焦点を当てたものに加え、問題を完全に捉え直すことや、自然との関係を回復する方法、さまざまな人々のつながりを再構築する方法なども含まれる。
公募が終了した時点で、少なくとも10組の受賞チームが、WDCDが提供するアクセラレーター・プログラムに参加することができる。また、すべての受賞チームは、メディアへの露出や、メキシコまたはオランダで開催されるWDCD Liveイベントでプロジェクトを発表する機会を得て、最終的には世界中60以上のインパクト・スタートアップ企業を含むWDCDチャレンジ受賞者のコミュニティに参加できる。
デザインには、課題を根本的に解決する力がある。Redesign Everything Challengeの応募は3月31日までで、2月にはオンライン・ウェビナーを開催予定だ。興味がある人は、サイトをのぞいてみてはいかがだろうか。
▶️Redesign Everything Challengeに挑戦する
【参照サイト】What Design Can Do
【参照サイト】Redesign Everything Challenge特設ページ