〜サステナブルな音楽イベントに興味がある方必見!イベント現場を取材したメンバーが、冷めやらぬ熱狂をそのままに、仕組みや体験を報告・解説します〜
音楽フェスティバルと聞いたら、何を思い浮かべますか?素晴らしい音と光の演出が舞うステージ、熱気が立ち込めるなか夢中で踊る若者たち。そんなイメージを抱く人も多いのではないでしょうか。オランダ・アムステルダムの「DGTL(デジタル)」は、その素晴らしい音楽体験はそのままに、世界で最もサステナブルな運営を行う異色の音楽フェスティバルです。
イベントは人々を惹きつけ、価値ある情報や文化が入り混じり、イノベーションを生む一方で、同時に多くの資源・エネルギーが消費され、大きな環境負荷を生みます。大自然のなかで開催される音楽フェスティバルが終わったあとに残される大量のごみも、近年問題視されています。
そんななか、DGTLはこうした問題に真正面から取り組み、「完全循環型音楽フェスティバル」を実現しました。2013年に始まったDGTLの取り組みは、環境負荷やごみを極力減らし、廃棄物を価値ある資源に変換して循環させる工夫にあふれています。そして今回のイベントを主催するハーチ欧州のメンバーは、DGTLに毎年参加しながら、進化する彼らの取り組みを追ってきました。
2024年3月31日から4月1日にかけて、株式会社ジャパングレーラインがDGTLの現場に行くツアーを催行しました。そのツアーにアテンドしたオランダ在住メンバーが今回DGTLの現場の様子をいち早くお伝えします。
今回のイベントでは、フェスティバルにちりばめられた、サステナブルなイベント運営の仕組みや仕掛けだけでなく、DGTLのサステナビリティ・マネージャーから直々に聞いた、気候ニュートラルなフェスティバルを実現するための最新のイノベーションとプロジェクトについてもご説明します。またDGTLがイノベーションを加速させるために行う、起業家たちとのコラボについてもお話しします。
サステナブルなイベントの企画や運営を考えるすべての人にとってのヒントとなれば幸いです。
【関連記事】 オランダの人気音楽フェスが、家で寝て過ごすよりもサステナブルな理由【DGTL前編】
【関連記事】 ごみ箱のない音楽フェス。サーキュラーエコノミーがイベント産業を変えていく【DGTL中編】
【関連記事】 循環型の「イノベーション」を支えるアムステルダム市の役割【DGTL後編】
DGTLとは?
DGTLとは、「家で寝て過ごすよりサステナブル」といわれる、世界初・オランダの完全循環型音楽フェスです。アートと音楽体験が高く評価され多くのファンを持つDGTL。何より異色なのはそのサステナビリティ・プログラムです。
参加者やパートナー企業、行政までもを巻き込み、環境負荷と廃棄を限りなく抑え、サーキュラーエコノミーの実現を目指しています。様々な音楽・アートステージに加え、サステナビリティ・ステージも設けられ、参加者はDGTLのサステナブルな施策について知識を深める場となっています。
具体的には……
- ごみゼロ・環境負荷ゼロの循環型イベント
- 100%再生可能エネルギー使用
- 使い捨てプラカップではなくカップ再利用の仕組みや「リサイクルコイン」制度を導入
- 参加者らに「正しい行動」を促すため、楽しさ、もしくは金銭メリットを駆使する
- サーキュラーフードコートではベジタリアン食のみを提供。食器類はすべて生分解性で24時間以内に堆肥化される。2022年からはリユース食器のパイロットも開始。
- すべての人が安全に楽しめるよう、女性やマイノリティに対するハラスメントや暴行を許容しないための施策
など、多くのサステナブル要素が散りばめられています。
DGTLのサステナビリティについての取り組みは世界的に注目されており、2017年にはアムステルダムで最もサステナブルな企業に送られるDAM賞や、ラスベガスで開催される世界中のフェスティバル・イノベーター・カンファレンスFestX Awardsにおいて優秀グリーンイベント賞を受賞、2019年にはロンドンで開催されるグリーン・イベント&イノベーション・カンファレンスでは国際グリーンフェスティバル賞とグリーン輸送賞を受賞するなど、数々の賞を受賞しています。2024年現在、DGTLはアムステルダムからさらに開催場所を広げ、ブラジル・サンパウロ、スペイン・バルセロナとマドリード、イスラエル・テルアビブでも開催される予定です。
当日のトピック
- 音楽フェスの課題
- DGTLのこれまでの歩み
- 完全循環型・サステナブルなイベントの仕組み
- 実際にDGTLに参加したなかで見えたもの・感じたこと
こんな方におすすめ
- 欧州における循環型の取り組みに興味がある方
- サステナブルなイベント運営を学びたい方
- サステナブルな新規事業を検討中で、海外のユニークな参考事例を実際に学びたい方
欧州市場参入を検討している方 - サーキュラーエコノミーを切り口にした最新の取り組みを知りたい方
- サーキュラーエコノミーに取り組む欧州企業・日本企業とつながりたい方
- いつもIDEAS FOR GOODやCircular Economy Hubの記事を読んでくださっている方
タイムテーブル
第1部:DGTL報告会
18:50 Zoomオープン
19:00-19:10 挨拶・主催企業紹介
19:10-19:50 音楽フェス「DGTL」についての解説と報告
19:50-20:00 質疑応答
第2部:DGTLツアー参加者との座談会
20:00-20:30 座談会
※第2部は、実際にDGTLを訪問するツアーに参加した方々とともに、カジュアルにDGTLについて話し合うネットワーキングの場です。イベントに参加いただく皆さんから質問やコメントをしていただける場になっておりますので、どうぞお気軽にご参加ください。
※第1部でイベントは一旦終了とさせていただき、第2部は希望の方のみご参加いただけます。
イベント概要
開催日時 | 2024年4月23日(火) 19:00〜20:30(Zoomオープン18:50) |
主催 | ハーチ株式会社・株式会社ジャパングレーライン |
定員 | 50名(先着順) |
参加費 | 3,000円(学生 2,000円) |
開催場所 | オンライン(Zoom) |
参加方法 | Zoom URLを取得するにはPeatixより申し込みください。イベント当日までに、配信URLをメールにてお送りします。 Peatixページ:https://dgtl-event-2024.peatix.com/ |
※キャンセルポリシー:イベント開催日の3日前(2024年4月20日23:59)までにご連絡がない場合は、返金はいたしかねます。ご了承いただきますようお願いいたします。
※アーカイブについて:チケットをご購入の方には、イベント終了後アーカイブ動画の共有をさせていただきます。使用するスライド資料については共有をいたしかねますので、あらかじめご了承くださいませ。
スピーカー
西崎こずえ(Circular Economy Hub編集部・第1部 DGTL報告)
高校からオーストラリアに居住し首都キャンベラ大学で観光経営学を専攻。卒業後マーケティング・PR・CSRコンサルタントとして国内外のブランドを支援。2020年1月よりオランダ・アムステルダムに拠点を移しサーキュラーエコノミーに特化した取材・情報発信・ビジネスマッチメイキング・企業向け研修プログラムなどを手掛ける。
西崎龍一朗(株式会社ジャパングレーライン・第2部 座談会ファシリテーション)
オランダ在住。イベント産業全体を持続可能にするための「サステナブルイベントネットワーク(SEN)」発起人で運営者。日本企業に向けてオランダの企業・施設の視察ツアーを実施。参加者の課題解決に合わせた企業選定を行い、ただ見るだけではなく具体的な変革の機会となるようなツアーコンテンツ制作を行っている。
瀬沢正人(ハーチ株式会社・全体ファシリテーション)
IDEAS FOR GOOD編集部・クリエイティブディレクター。前職は日系メーカーにて国内外のデジタルマーケティング推進、海外営業を担当。デンマークで映像制作とサステナビリティについて学び、現地の社会課題を取材した作品がきっかけとなり、IDEAS FOR GOODにジョイン。映像コンテンツのディレクションと制作を担当。