ベルギーの老人ホーム入居者がナイトクラブへ。ダンスが孤独と不安を吹き飛ばす

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老人ホームに入居する高齢の人々は、生活範囲が限定されてしまう。施設では、入居者が孤独や退屈さを感じないようさまざまな行事や外出が定期的に開催されているが、たいていは日中のイベントだろう。

高齢者と夜のイベントが結びつかないのは、彼らが早く寝るからだろうか。あるいは、夜出かける元気などないからだろうか。しかし、それは周りの単なる偏見に過ぎないかもしれない。

ベルギーの特定の老人ホームでは、入居者たちが夜に外出し、クラブで踊っている。2016年に設立されたベルギーの非営利団体・Papy Booom(パピー・ブーム)は、「幸福は老いを克服する」をモットーに、ブリュッセルの老人ホームと協力し、入居者が社会で再び楽しんで活動できるよう外出イベントを主催しているのだ。

Papy Booomという名前は、ベビーブーム時代に生まれ、現在定年を迎えた人たちを意味するフランス語をもじったものだ。Papy Booomが月に1回開催するイベントは、車椅子レースやアーチェリーなどのゲームから、熱気球やゴーカート、スピードデート、ジェットバス入浴といった外出イベントまでさまざまだ。

これまで4回開催したクラブイベントは非常に好評で、高齢者たちの孤独を和らげる機会になっているようだ。最高齢は98歳だという男女11人のホーム入居者たちは、R&Bやレゲエ、ラテンダンスを専門とするナイトクラブ「Lift Brussels(リフト・ブリュッセル)」に行き、若いころの気持ちを取り戻したかのように深夜までダンスを踊って楽しんだという。

13年間老人ホームで働いてきた経験を持つPapy Booom創設者ユーセフ・カダールさんは、Reutersによる取材でこのように話している。

多くの介護施設では、「アクティビティ」と「外出」は同じだと認識することが多いですが、この二つは異なることを示したかったのです。シニアの人々も以前は、楽しみを求める若者でした。老人ホームに入居している人々が幸福を感じるためには、単に職員から施設の外に連れ出してもらうだけではなく、楽しいと感じる活動を実際に体験してもらうことが必要です。

こうした活動で楽しみを感じることができれば、「生きている」という感覚を再び抱くことができると、老人ホームの入居者は語る。ダンスは記憶を活性化するほか、不安やストレスを軽減し気分をあげる効果もあるそうだ。人生を楽しむためにダンスをするのは、何歳でも遅すぎることはないのだ。

【参照サイト】Pappy Booom
【参照サイト】Reuters: ‘Boom, boom’: Ageing boomers discover Brussels’ largest night club
【参照サイト】The Guardian: ‘We can live again’: Belgian nursing home residents hit the nightclubs
【参照サイト】Mental Benefits of Dance
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Edited by Megumi

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