不登校に、世界一たのしい革命を。「トーキョーコーヒー」が親と子の新たな居場所に

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文部科学省の2022年度の調査によると、小・中学校における不登校児童の数は約30万人(※1)。2021年度から5万4,000人ほど増加し、在籍児童生徒に占める不登校児童の割合は3.2%と過去最多となった。

日本における不登校への理解はまだ十分ではなく、ネガティブなイメージを持つ人は多い。子ども達が不登校にいたる理由は複合的である場合が多い一方で、家庭環境や親の責任が原因だという意見や一部の偏見が根強く、不登校児童の保護者の5人に1人が「自分の育て方のせいではないか」と自分を責めた経験があるという(※2)

不登校は子どもの「問題行動」ではなく、社会が変わる必要があることを知らせてくれる「アクション」と捉え、「大人」が楽しみながら教育や社会についての意識を変えるきっかけを提供しているコミュニティがある。それが「トーキョーコーヒー」だ。

このユニークな名前は、「登校拒否」のアナグラム(単語の文字を並び替え、別の意味を持つ単語を作る言葉遊び)に由来している。2022年8月の立ち上げから、全国各地にある拠点は、準備中の場所を含め370を超え(2024年7月現在)、活動の輪が着実に広がっている。

トーキョーコーヒーの拠点が各地に増加している理由のひとつは、「参加のハードルが低いこと」だろう。研修動画を視聴して月会費を支払うことで、誰でも主催者となり、拠点を立ち上げることができる。主催者以外にも活動をサポートする「認定者」や「一般メンバー」として自由に活動に参加できる。

活動内容は各拠点で自由に決め、農業や料理など、大人たち参加者が楽しみながら子育てや教育、社会について対話し、学び合う。もちろん、子どもたちの参加も自由だ。トーキョーコーヒーはあくまでも大人の活動の場であり、子どもが何かを押し付けられることはない。しかし、大人たちが全力で楽しんでいる様子を見て、自主的に手伝ったり、参加したりする子どもも多いという。

子どもが日中に安心して過ごせる場所を提供し、子どもの個性や自主性を尊重し、大人はそれを応援する。枠にはまらない自由な環境で子どもたちの「安心」や「自信」が生まれ、次への意欲が高まるという。

トーキョーコーヒー活動の様子

トーキョーコーヒーの活動を知るにつれ、大人が笑顔で、そして本気で人生を楽しむこと、それが子どもたちの心の教育につながっているということに改めて気付かされる。

真の教育とはなんだろう。毎日学校に行って、良い点数を取ることは素晴らしいことかもしれないが、私たちはそうした固定観念に縛られすぎてはいないだろうか。成績表やテストの点数では測れない、子どもの個性や素質を見出すには、大人の考え方から見直す必要があるのかもしれない。

※1 文部科学省初等中等教育局児童生徒課「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」
※2 認定NPO法人カタリバ「不登校に関する子どもと保護者向けの実態調査」

【参照サイト】トーキョーコーヒー
【参照サイト】先端教育「小中29万人、不登校児童生徒数が過去最多に 文科省調べ」
【参照サイト】You Tube TBS NEWS DIG「不登校の子と親が集う場所「トーキョーコーヒー」って?」
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