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ラーゴム(Lagom)とは・意味

ラーゴム

ラーゴムとは?

スウェーデン語で「多すぎず、少なすぎず、ちょうどいい」という意味を持つ言葉のこと。「今日の気温はちょうどいい」「食事の量がちょうどいい」などスウェーデンの日常の様々なシーンで使われ、暮らしの中に広く溶け込んでいる。また、何事もほどほどに、頑張りすぎたり、持ちすぎたりせず、自分にとって必要なものを大切にするというスウェーデンの人々が好む生活様式やマインドセットにつながっている。

Lagomの語源は「lag(法)」の古語的な複数形で「慣習や常識に従う」「法と共に」というような意味を持っていると言われる。しかし、一般によく知られるのは、Lagomは「laget om(ラーゲット・オム)=仲間と分け合う」を短縮したものという説だ。これは中世にバイキングが存在した時代、皆で集まって蜂蜜酒を飲む際に、全員が同じ量を飲むのではなく、少なくていい人は少なく、多めに飲みたい人は多めに、自分に合った量を飲む──というように、自分にとってちょうど良く飲めるように量を調整したという話に基づいている。

ラーゴムな暮らし方とは

国連が発表するWorld Happiness Report(世界幸福度報告書)で、スウェーデンは毎年10位以内と世界の上位にランキングされている(※)。そのスウェーデンの人々が実践するラーゴムは、人生におけるすべての物事には自然なバランスがあるという考え方がベースになっている。仕事、食事、生活、人間関係などすべてにおいて、自分にとってバランスが良いかを大切にする。またこうした無理のない心地よさを追求し、多くを求めないライフスタイルは、地球にもやさしく、結果として持続可能な暮らしにもつながっている。

ここでは、具体的にラーゴムを暮らしに取り入れるいくつかの方法を紹介する。

心地よい食事の仕方を考える

まずは、身体が必要とするバランスの取れた食事を大切にし、食材も余計なものを買わず食べられる分だけを用意することを意識したい。ただ、過度に制限する必要はなく、時にはジャンクフードやお菓子を楽しんでも良い。毎日凝った料理を作ろうとせずとも、忙しい時には簡単なものや冷凍食品を食卓に並べることがあっても良い。そんなふうに、大らかな気持ちで無理せずに食事を楽しむことが大切だ。

仕事はほどほどにして、きちんと休憩を取る

仕事を効果的に行うためにも、自分の心地よいワークライフバランスを保つためにも、休憩をしっかり取ることは重要だ。スウェーデンでは、仕事の合間などに同僚たちとおしゃべりしながらコーヒーと甘いお菓子を楽しむ「フィーカ」という習慣が日常的に取り入れられており、残業する人も少ない。集中して仕事をする時間と、休んでリラックスする時間を切り分け、メリハリをうまくつけることが大切である。

余分なものを取り除く

自分にとって必要なものを見つめ直し、不要なものや心地よく感じないものは持たないようにする。洋服なども流行に捉われずベーシックなものを着こなしたり、買い物をする際は目についたものをすぐに手に取るのでなく、本当に欲しいものなのかを一度考えてみるとよいかもしれない。

自然に寄り添って暮らす

豊かな自然に恵まれたスウェーデンでは、住居を居心地の良い場所にするために、家の中にも自然や季節の移ろいを感じる工夫を凝らしている。自然素材の家具を選ぶ、日光をうまく取り入れるために壁の色を明るくする、観葉植物を育てるなど、自然に抗わず、寄り添うことで、無理のない暮らしを楽しもう。

できる範囲からサステナビリティを考える

日常の中で、無理のない範囲で地球に負担をかけないようにするのもラーゴムな暮らしの一つだ。買いだめをせず、必要な分だけを買う。シャワーや歯磨きでは水を出しっぱなしにしない、余分な油を流さないために少なめの量で揚げ物をする、リサイクルショップを活用するなど、自分にも地球にも優しいライフスタイルを心がけよう。

心地よい距離感を保つ

人間関係においても、決して無理をせず、ほどよい距離感を大切にする。家族や仲間との時間も楽しむが、心が疲れている時は一人の時間を持つことや、自分時間を充実させる時があってもよい。また、予定をつめこみ過ぎず、何もしない時間を作り、意識的に力を抜いてみることも心を解放してくれるだろう。

まとめ

ラーゴムに近い言葉として日本語の「足るを知る」、英語の「Less is more」などが挙げられるかもしれない。自分の置かれている環境に満足し、感謝の気持ちを持つことや、多くを求めるのではなく本当に大切なものだけを選びとることは、心の豊かさにつながる。ラーゴムも、決して自分自身を否定したり、好きなものをあきらめたりするわけではなく、「ちょうどいい」を楽しむことがベースになっており、あくまで自分の心地よさにフォーカスし、ウェルビーイングを叶えながら、無理や無駄のない暮らしを実現しているのが特徴的だ。必要以上のものを地球から奪わず、未来を持続可能にするためにも日々の生活にラーゴムの考え方を取り入れてみてはどうだろうか。

World Happiness report 2023

【参照サイト】my scandinavian home | 5 Beautifully ‘Lagom’ Ways To Bring Spring Indoors – Swedish Style!
【参照サイト】 LINNEA DUNNE | My books
【参照サイト】SCANDIFICATION | What Is Lagom? Exploring The Meaning Of Swedish Lagom
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