イギリス海峡を望むフランス北西部のノルマンディー地方で12月下旬、世界初となるソーラーパネルでできた道路「Wattway」が開通した。500万ユーロ(約6.1億円)もの費用を投じて建設されたこの道路、約1kmにわたって2,880枚のソーラーパネルが敷き詰められており、道路自体が太陽光で発電できる仕組みとなっている。
年間280メガワット時の電力を発電可能で、天候にもよるものの一日あたり平均して767キロワット時、夏の日照時間が多い日であれば最大1,500キロワット時の発電が可能だという。このソーラーロードで周辺に暮らす3,400人の住民が生活するうえで十分な発電量を見込んでいるとのことで、今後2年間にわたって道路の耐久性および発電量が試験される。
22日に執り行われた道路の開通式には、先進的な政策導入によりこれまでイギリスやドイツに比べて遅れをとっていたフランスの環境政策を大きく前進させている、環境・エネルギー・海洋担当の女性大臣、セゴレーヌ・ロワイヤル氏が参加した。
フランスは電力に占める再生可能エネルギー割合を2030年までに40%に引き上げるという目標を掲げており、このWattwayもその目標実現に向けた革新的な実験の一つだ。
1kmの道路に6億円以上のコストをかけて作られたこのソーラーロード、費用対効果の面で税金の無駄遣いだという批判的な見方もあるものの、今後の技術革新やソーラーパネルのコスト低下、大規模な建設により実用性を見込むことができるようになれば、世界の道路インフラを一新する可能性もある。
フランスは最終的にこのソーラーロードを1,000kmにわたって開通させるという目標を掲げているが、今後Wattwayがどのようなパフォーマンスを見せるのか、成果が楽しみだ。