パリが毎年「車なしデー」を実施する理由

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多くの者を魅了してやまないパリ。国内外から絶え間なく訪問者があり、一極集中型のフランス経済をさばく首都でもある。このような大都市では、交通量に起因する大気汚染が恒常化している。

そんなパリでは9月16日(日)、1年に1度の「車なしデー」が実施された。この日は、パリの街全体で凱旋門からナシオン広場まで徒歩で約2時間ほどの距離が歩行者天国状態になり、車はほどんど見かけない。パリがこのように自動車の乗り入れを禁止するようになってから今年で3年目だ。これは、ガスを排出する車両の数を大幅に制限する取り組みの一環である。

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Celia Blauelパリ副市長は、「“車なしデー”は、パリ市民が別の生き方をする日です。人々が大気汚染の問題を認識し、実際に車がなくてもパリは移動できることを知ってもらいたい。この街では、大気の汚染のために人々の寿命が6ヶ月間短くなっているので、対策が必要です。」と語る。

政府の努力の甲斐あってか、パリでは現在車離れが進んでいるという。1990年から自動車の利用は45%減少し、代わりに自転車を利用する人が10倍になった。しかし、パリには依然として、危険なレベルのスモッグの問題が立ち込めている。

2017年、パリ市は2024年までにディーゼル車を禁止すると発表した。ガソリン車は2030年までに段階的に廃止される予定だ。旧式車両は平日の日中、既に都心部への乗り入れが禁じられている。

Anne Hidalgoパリ市長は現在、排気ガスの計測と削減をすすめる世界の大都市ネットワーク、「C40」の議長だ。パリでは現在、主要な交差点が歩行者優先に再設計されており、今後は自転車レーンもさらに増やしていくようだ。同市の目標は、2020年までに自動車交通量を半減させること。2018年の最初の5ヶ月間は、前年同期と比較すると6.5%減少し、順調かに見える。

しかし、このドラスティックな改革には、すべてのドライバーが賛成しているわけではない。同市が高速道路からセーヌ川沿いのジャンクション、そして市内への乗り入れを禁じた際は、交通量が減少し成功かと思われたのだが、不便さから反発も多く、市政に通行禁止にする権利があるか否かで現在、法廷闘争中だという。

しかし同市長は、車が減ることで人々にとっても有害な環境汚染がなくなる、と理由を強調。「目的はパリのすべての車を取り除くことではなく、別の移動手段に切り替えることです。」と述べる。

東京も含めた世界の14都市が、徒歩、サイクリング、公共交通に転換し、2030年までに都市大部分の交通でゼロエミッションの達成を目指すC40の共同宣言に署名している。世界の文化都市パリは、反対にもめげず、目先の便益に流されることなく、徹底した環境対策を貫いている。

【参照サイト】The Car Free Day in Paris