Google、ストリートビューカーで有害なメタンガス漏れを発見

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メタンは二酸化炭素に次いで地球温暖化への影響が大きいガスだ。メタンの排出の半分以上は様々な人間活動によるもので、大気中のメタンの濃度は1750年以降150%も増加しており、現在も上昇し続けている。

メタンは都市ガスにも使われており、パイプラインからのガス漏れは気候変動を促進する要因の一つとなっている。しかし、メタンは屋外であれば大きな健康被害もなく、精密な検査には莫大な労働力と費用を要するため、これまで正確な把握ができていない状態が続いていた。

この問題に自社のサービスを活用して取り組んでいるのがGoogleだ。同社は環境防衛基金(Environmental Defense Fund)やコロラド州立大学の科学者らと協力し、Googleストリートビューの写真撮影に使用する車両を利用して、都市部のパイプラインからのガス漏れを把握し、経済的損失と環境への悪影響をと特定するプロジェクトを展開している。

同プロジェクトは、走行しているGoogleストリートビューカーにメタンを検知するセンサーを取り付け、米国の都市部における目に見えないメタン漏れを特定・検出することで、ガス事業者らが問題に迅速に対処し、最も深刻な漏れへの対処を優先できるようにするというものだ。

メタン検知機器とGoogleカーを組み合わせることで、これまで実現できなかったメタン漏れの発見および対処プロセスを大きく合理化することに成功した。車は常に道を移動しており、装置は自動で作動するため、運転手は特別なトレーニングを必要としない。メタン検知装置にはリアルタイムで空気中のメタンの量を検出できる特別な赤外線レーザー技術が搭載されている。研究者らは、検出されたパイプラインの破損からメタンが漏出している速度を決定するアルゴリズムを開発し、発見した漏れのサイズ(小、中、大)の簡単な分類システムを考案した。

メタンガス漏れを発見できるアルゴリズム

Image via ACS Publications

プロジェクトの短期的な目標は、ガス事業者に漏れのサイズをランク付けし、費用対効果の高い修理を可能にするツールを提供することで、迅速かつ低コストで最大数の漏れを見つけ出すことだ。

調査の結果、一部の都市部においてはもともと懸念されていたよりも多くのガスがパイプラインから漏出している可能性があることが分かった。コロラド州立大学のジョセフ・フォン・フィッシャー博士(生物学)によると、都市部の天然ガスパイプラインの漏れは十分に研究されておらず、多くの都市で毎年どのくらいメタンが失われているのか知られていないという。

メタンの漏れを特定することは重要だ。メタン漏れは経済的な観点から考えても資源の無駄であり、環境面でも気候変動に大きな悪影響を与える。また、昨年ロサンゼルスでは貯蔵施設のパイプが破裂し、数ヶ月後に栓をされるまでに約10万トンのメタンが大気中に噴出するという米国史上最大規模の温室効果ガス漏れ事故も起こった、

こうした事故や悪影響を防ぐために、未然にメタンの漏れを特定し、事前の予防策を講じるうえで、Googleストリートビューカーというインフラはとても役に立つ。自社のテクノロジーや資産を活用し、環境や公共にもポジティブなインパクトを生み出すというCSRの好事例だと言える。

【参照サイト】Rapid, Vehicle-Based Identification of Location and Magnitude of Urban Natural Gas Pipeline Leaks
【参照サイト】Google Street View cars are eyes on the ground for urban methane leaks
(※画像:ACS Publicationsより引用)