フランス発、もの言う建設材料。ビッグデータ活用で工事を効率化させるコンクリート

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近年、企業がサステナビリティに力を入れる傾向が強まっており、身近な企業の事例を聞いたことがある人も多いだろう。私たちが普段触れることの少ない建設現場でもその動きは強まっており、ゴミの削減やリサイクル率向上の取り組みが行われている。

世界の建設現場では建設費用の35%が、工事で使われなかった建設材料の調達とその処理費用に使われており、効率化やコスト削減の余地がまだ大きい。

そのような中、建設材料の管理効率化のために、フランスの企業がコンクリート材料に情報を記録できるシステムの提供を開始した。360SmartConnect社の提供するサービスは、建設用のコンクリートに電子チップを埋め込み、建設に関するデータを記録できる仕組みだ。

無線通信で情報の閲覧と記録ができ、一般的なスマートフォンですべての機能を使える。建設業者、発注者、受注者など、工事に関わる全ての人が、工事に必要なすべての情報にアクセスできるので、ビッグデータを活用して工事に関する情報共有の効率化と工事自体の効率化をが実現できる仕組みだ。

360SmartConnectの電子チップは、コンクリートの素材だけでなく、壁や柱に埋め込み可能だ。電子マネーなどにも使用されている近距離無線通信技術を使っており、4㎝の通信範囲内で通信できる。チップに記録されるデータは、建設物全体の設計図、建設材料の調達先、使用される材料の一覧、メンテナンスの記録、定期点検の日程など、建設物の管理に必要なデータを網羅的に保存できる。

太陽光発電ができる窓ガラスの開発など、建築材料のイノベーションを通したサステナビリティ実現への取り組みは今までも見られてきた。情報通信が進化し続ける今日では、360SmartConnectのような情報の効率化によるサステナビリティへの貢献も見られている。ビッグデータや分析技術は建築業界に大きな変革をもたらす可能性があり、今後も、今までICTが普及してこなかった分野で情報通信の活用による効率化に期待が持てる。

【参照サイト】360SmartConnect

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