小学校の遠足で、バスに乗る前に不安げな表情で酔い止めを握りしめているクラスメートはいなかっただろうか。
世界の人口の約3人に1人は乗り物酔いに悩まされている。しかしその対処法が広く普及しているわけではない。多くの専門家は、乗り物の不規則な揺れにより、目が受け取る視覚的な情報と内耳にある三半規管の動作が不一致を起こすことが原因だと考えている。
そんな多くの人が直面する問題に対して、フランスのイノベーターたちが立ち上がった。「Boarding VAR」と呼ばれるVR(仮想現実)製品を開発し、テクノロジーによって乗り物酔いを解決しようと考えたのだ。
Boarding VARはあらゆるVRまたはAR(拡張現実)デバイスで使用することが可能で、装着したユーザーの視野に水平な平面を映し出す。ユーザーの視野に決してぶれない一定の基準を作り出すことで、内耳から得る情報との誤差をなくす仕組みだ。
今後、Boarding VARは他のVRメーカーと協働し、既存のVRヘッドセットに改造可能なデバイスとなる予定だ。
2016年には、630万点ものVRデバイスが市場に出回った。今後この市場は4年間で毎年市場が85%伸びると予想されている。近年、非常に注目を集める期待の星なのだ。IDEAS FOR GOODでも、これまでVRに関する数々の革新的な取り組みを紹介してきた。
VRとARは、ほぼすべての産業に関わっているといっても過言ではない。あなたの会社や身の回りではどのように活用され、どこに潜在的なニーズがあるのだろうか?日々更新される最新のテクノロジーから目が離せない。
【参照サイト】Boarding VAR
(※画像:Boarding VARより引用)