治療中の患者をリラックスさせる、ウィーン生まれの音響映像メガネ

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「明日の9時から手術です。」と言われたら、どんな気持ちになるだろう。手術前から手術後までずっと、リラックスした気持ちでいられるだろうか。

オーストリア、ウィーンのスタートアップHappyMed社は、病院や歯科医院での治療を心地よく快適にする音響映像メガネを開発した。人間の感覚の 80%以上は、目と耳で知覚されるという。治療中に無性に感じる恐怖などもそうだ。

このメガネは、リラックスする映像と音声を流し、治療中の患者の視聴覚を分離させることで、ストレスと不安を大きく減らす効果がある。

Happy Med

(c)HappyMed

スイッチを入れると、画面に広大な自然、コメディー、子供向け映画など、さまざまな番組が映し出され、患者はたくさんの番組から好きなものを選ぶ。タッチスクリーン操作は簡単で、音声は良質、画像も明確だ。電池で10時間作動し、番組上映中に医師が患者に話しかけることもできる。

HappyMed社が音響映像メガネを開発した理由。それは、多くの患者が、治療中に心配や恐怖心を抱き、鎮静剤や鎮痛剤などの使用を余儀なくされている現状にある。そして全身麻酔が必要となったり、症状が複雑化して回復が遅れたり、薬品の使用が増えたりといった悪循環が生まれる。

同社はこの現状を変えるべく、局部麻酔と並行して音響映像メガネを使用することを推奨している。鎮静剤や鎮痛剤の使用を減らし、術後の体調を整え、さらに全体の医療費も抑えることが目標だ。

手術前や手術中、歯科治療はもちろん、全身麻酔での手術後、心臓カテーテル検査中、化学療法中や骨髄穿刺(せんし)など、さまざまな場面で使用できる。

患者にも、このメガネは好評だ。これまで、多くの病院で患者111人がこのメガネを使用し、92%の患者がメガネの再使用を望んでいる。HappyMed社のビデオでは、「メガネを使用することでリラックスでき、心地よく感じた。」と、患者自らが感想を語っている。

医療関係者の80%も、HappyMed社のメガネに満足している。このメガネの使用で、鎮静剤や鎮痛剤、麻酔の使用を 45%に抑えることができ、73% が薬を一切使わなかったという。

患者をリラックスさせて、治療をスムーズに行う音響映像メガネ。今後のさらなる普及が期待される。

【参照サイト】HappyMed
(※画像:HappyMedより引用)