豪カンタス航空が機体デザインに込めた、先住民への思い

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あなたは旅行で飛行機に乗るとき、何を基準に航空会社を選ぶだろうか。値段、品質、それとも口コミだろうか。しかし、これからは航空機のデザインに込められた航空会社の思いも大きな要素になってくるかもしれない。

南半球最大の航空会社で、オーストラリアに本部をおくカンタス航空は、最新のボーイング787−9型ドリームライナーで、同国のアボリジニとトレス海峡諸島民の文化への敬意を示す航空機の新デザインを発表した。

航空機は今年の3月2日にボーイング社の工場があるシアトルからアリススプリングスに移動し、3月後半にはメルボルン・ロサンゼルス間やパース・ロンドン間といった国際線にも登場する。

導入されたデザインは、北部特別地域出身の女性アーティストEmily Kame Kngwarreye氏によるものだ。1991年に発表されたYam Dreaming という作品には、Emilyの出身地Utopiaの主食であり、文化的に重要なヤムイモが描かれている。この作品をデザインスタジオBalariujiと連携して、今回航空機用に改良したのである。目を引く赤色に白いドット柄をベースに、カンタス航空のトレードマークである赤い尾翼とマスコットとなった愛くるしいカンガルーがデザインされている。

Emilyは1910年に生まれたが、絵を書き始めたのは人生の折り返しを迎えた後であった。86歳で亡くなるまでにオーストラリアの国と文化をよく映したすばらしい作品を3000点以上残し、世界中から賞賛されるアーティストになった。

カンタスグループCEOのAlan Joyce氏は「この際立って美しい作品をきっかけに、”オーストラリアの心”の一部である先住民の文化をもっと多くの人に知ってもらいたい」と語る。

先住民アボリジニと”入植者”ヨーロッパ人の間にある軋轢は残念ながらまだゼロとは言えない。しかし、今回の例のように、「アート」という身近な手段をきっかけに、遠くにあると思いがちな課題を近くに感じることはできる。赤と白で彩られた空飛ぶ巨大なアートを眺めながら、先住民への敬意を示すカンタス航空の心配りに思いを馳せてみてはいかがだろうか。

【参照サイト】QANTAS UNVEILS SPECIAL INDIGENOUS AIRCRAFT LIVERY
【参照サイト】Qantas Dreamliner Emily Kame Kngwarreye 
【参照サイト】先住民アボリジニ