服はスプレーひとつで作ろう。エシカルファッションの先駆け「Fabrican」

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ファッションと科学のコラボレーションで、衣料品業界に新たな風を吹き込む技術が生まれた。体に直接スプレーを吹き付けることで、その人の体にぴったりな衣服をつくれる「Fabrican」だ。

スプレーは液体ではなく綿のようになっており、時間が経つと布になる。スペインのデザイナーであるManel Torres博士が、液体に繊維を分散させる技術を開発したことで、繊維とポリマーの混合物、そしてそれを溶けた状態に保つ溶媒が入ったスプレー缶ができたのだ。布の質感や匂い、色など自由に変えられるという。

Image via Fabrican

スプレーを使うことで、布では表現できなかった新たなデザインが生まれるに違いない。また、プロでなくてもスプレーで直感的に自分の思い通りの服がつくれたり、破けた部分を簡単に修繕して衣服の寿命を伸ばしたりすることが可能になるだろう。

また、Fabricanは衣服だけでなく、緊急時にも役立つ包帯やタオル、家具のカバーなども作ることができるそう。アイデア次第で、使い方は無限大だ。

Image via Fabrican

Fabricanの目的は、環境への悪影響を減らす生産プロセスをファッション業界に示すこと。スプレーひとつで服を完成させることで、輸送コンテナの必要性を減らし、海外サプライヤーへの依存や、輸送による炭素排出を同時に削減する。主にリサイクル繊維や生分解できる繊維を使用しており、生産者の健康にも害を与えない。

毎年、日本では約33億着の衣服が廃棄されており、捨てられた衣服の60%以上は、埋立または焼却処分されている。洋服を一つ作るまでのコストや環境への影響を考えると、勿体無いという一言では済まされない。近年では、環境や生産者に配慮したエシカルファッションが注目されつつあるが、Fabricanが新たな衣服の原材料の選択肢として選ばれる日も近いだろう。

【参照サイト】Spray-on Fabric Non-woven Coating Aerosol Technology Cotton Fibres
【参照サイト】「繊維製品3R関連調査事業」報告書