2020年10月、中国は2035年までに新エネルギー車(NEV)の販売を全新車販売の50%にまで引き上げる方針を発表した。現在の5%という割合からすると、同国が環境への対応を一段と進めていくことがわかる。また、9月には米国カリフォルニア州が、同州内におけるガソリン車の新車販売を2035年までに禁止すると発表している。
こういったニュースを聞いて、自分が利用する車も電気自動車やハイブリッド車に切り替えていこうと考えている人は多いのではないだろうか。それを実現するには、新しく車を購入するときの選択肢を変えるだけでなく、UberやGrabのようなライドシェアを利用するという選択肢もある。
カナダに本社を置く配車アプリの「Facedrive」では、乗客がドライバーを呼ぶ際に、電気自動車、ハイブリッド車、ガソリン車のどれを利用するかを選択することができる。また、カーボンオフセットの取り組みとして、乗客がこのアプリを使って移動した後には、移動距離から算出されるCO2排出量が植林プロジェクトへの寄付金に変換されて利用料金に上乗せされる仕組みとなっている。企業の社会的責任を果たす、エコなライドシェアネットワークだ。
Facedriveの信念は「人は選択肢を与えられれば、持続可能な交通手段を選ぶ」というものだ。乗客はFacedriveを利用することで、自分がどのように環境に貢献しているのか、アプリからフィードバックを得ることができる。また、ライドシェアを継続的に利用することで、乗客は割引情報が受け取れるようになっていたり、電気自動車やハイブリッド車を使うドライバーがより多くの収入を得られるようになっていたりと、エコな「選択」がされやすい仕組みができている。
通常、配車サービスは環境に優しい選択肢だと思われがちだが、非営利の科学者団体である「憂慮する科学者同盟(Union of Concerned Scientists)」の研究によると、実はライドシェアは他の移動手段と比べて、平均で69%も多くの二酸化炭素を排出しているという。
Facedriveの取り組みは、ライドシェア業界をサステナブルに生まれ変わらせる力を秘めているかもしれない。
【参照サイト】 Facedrive
Edited by Erika Tomiyama