昨日、11月6日は米国の中間選挙。これまでのトランプ政権を国民がどう評価するかに世界の注目が集まるが、問題となっていたのが投票率の低さだ。中間選挙は有権者の関心が低いうえ、平日の火曜日とあって投票率は例年40%前後。大統領選が60%前後であることを踏まえると、かなり低い。
そこで、投票率をもっと高めよう、とワシントンやニューヨーク、シカゴなどでおなじみの北米最大の自転車シェア企業「モチベート(Motivate)」が、投票日にはシェア自転車を無料で使えるように開放した。
シェア自転車の利用無料化がはたして投票率の向上につながるのか、と思う人もいるかもしれない。
実は、交通アクセスの問題は多くの有権者が投票に行かない理由となっている。調査によると、2016年の大統領選挙では、1500万人以上の有権者が交通アクセスを理由に投票に行かないと回答している。
同じく大統領選挙の際、29歳以下の有権者で投票に行かなかった600万人が投票に行かなかった理由として挙げたのは、「候補者が好きではなかった」、「仕事や学校を抜けられなかったこと」だったが、29%は交通問題を挙げ、さらにその内15%は交通問題を「主な要因」とした。
そして有色人種の学生のうち、38%は移動手段がなかったことを投票に行かなかった理由としてあげており、白人学生でも27%を移動手段を問題としている。
モチベートの広報担当者、ジュリー・ウッド氏は「今回の投票では、ペダルをこいで投票会場に行くことをいまだかつてないほどに簡単にしたい」と投票率向上に期待を込めている。
今回の中間選挙では、モチベートの他にも、交通問題を解消しようと、さまざまな交通サービス会社がキャンペーンを行なっている。配車サービス会社「リフト(Lyft)」は、投票日の利用料を半額に、特に交通が低投票率の障害になっている地域では無料にする。
同じく配車サービス会社「ウーバー(Uber)」は低所得者に対し、無料で投票所に行けるようにする他、一般の有権者に対しても投票所までの利用料を10ドル割引にする。また、電動シェアスクーター会社「ライム(Lime)」は30分間の利用料を無料にするという。
中間選挙の結果もさることながら、今回の試みが投票率の向上にどう影響するのかについても注目したいところだ。
【参照サイト】Why Youth Don’t Vote – Differences by Race and Education
【参照サイト】The Ride to Vote: Use Lyft to Exercise Your Rights
【参照サイト】BIKE TO VOTE: Motivate Announces Free Rides on Election Day in Nine Bike Share Systems Across the Country