誰でもエシカルファッションを選べるアプリ「Good on you」が取り組む、消費者の意識改革

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誰もが気軽にエシカルファッションショッピングを楽しむことができるオーストラリア発のアプリ“Good On You”。2015年に開発されて以来、アメリカ、カナダ、そしてヨーロッパ各国などにも進出し、毎月20万人以上もの人が使うアプリに成長した。

今のところ使用言語は英語、対象となるブランドはオーストラリアや欧米圏が中心となっているが、日本でもすでに多数のメディアで紹介されている。このアプリが目指すのは、私たちが日常的によく買い物をする「服」というツールを通して人々のエシカル消費への意識を高めることだ。

Good on Youとは?

Good on Youは、オーストラリアの非営利団体であるEthical Consumers Australiaが運営するアプリだ。約2,200以上のファッションブランドの「エシカル度」を比較したうえで自分の好きな服を選び、そのまま購入できる。

使い方はとても簡単。たとえばジャケットを探しているとしよう。カテゴリーからジャケットを選択すると、ジャケットを扱うブランド一覧が表示される。2,000を超えるブランドが、環境、人権、アニマルウェルフェア(動物福祉)の3つの視点でレイティングされており、より評価の高い順に表示される。レイティングはブランドの公式情報やNGOなどが公表している情報に基づいて行われており、5段階で表される仕組みだ。

表示された中で気になるブランドをクリックすると、ブランドの簡単な紹介、3分野の評価結果の解説、ユーザーから一番近い店舗、またはウェブサイトの紹介、類似のブランドなどの紹介が出てくる。さらに、各ブランドへのメッセージもアプリを通して送ることができる。買うだけではなく、さらに一歩先まで行動するツールも仕組み化されているのだ。

Good on Youアプリ

Image via Good on You

また、アプリ上にはエシカル消費にまつわるさまざまなコラムもある。最近であれば、「2019年のパントンカラー、鮮やかなピンク色のエシカルアイテム」「あなたを素敵に魅せる、エシカルでサステナブルな大きめサイズブランド8」など楽しみながらエシカル消費への理解を深めることができるだろう。

まさにエシカルショッピングをワンストップで可能にしてくれる「Good On You」。このようなアプリができた背景はなんだろうか。

消費者の意識を変えるための工夫

設立者のゴードン・ルノフ氏によると、約50%の人は「エシカルな消費をしたいと思っている」という調査があるという(※1)。しかし、行動にうつすにはさまざまな障害がある。ルノフ氏が考える障害は5つ。消費者に関心があるかどうか、知識があるかどうか、エシカル商品を販売するところへアクセスできるかどうか、トレードオフできるかどうか、周りに影響を与えられるかどうかだ。

エシカル消費と一言でいっても、その背景にある問題は幅広い。そのすべてに関心を持ち、知識を持っているという人はごく稀だろう。エシカルでお気に入りの商品を見つけても近くに店舗がなかったり、オンラインでも販売していなかったりする場合もある。「エシカルな商品」だと書いてあったとしても、本当に環境への負荷を下げたり社会に貢献したりできるかどうかわかりづらい場合もある。

こう書き出すと障害だらけのようだが、ここで諦めてしまうには実にもったいない。約半数もの人が、基本的には「正しいこと」をしたいと思っているのだから。そこでGood On Youは、消費者にエシカルな選択肢を提案し、自分がお金を使うものについて意識してもらい、最終的にはショッピングを通してそれらの障害を取り除くよう設計された。

服を選ぶ男性消費者

Image via Shutterstock

「消費者の持つ影響力は大きい。たとえばGDPに占める家計最終消費支出は、日本だと60%を占めているだろう」とルノフ氏。これは欧米各国でも同じように、多くの割合を占めているという。消費者の選択が変われば、市場が変わる可能性はおおいにあるのだ。

今後の展開について同氏は、「まずはこの3月までにウェブ版をより特徴あるものにバージョンアップする予定。アプリは世界中で使えるようになりつつある。これまで、グローバルなブランドやオーストラリア、北米、ヨーロッパのブランドに焦点をあててきたが、今後は日本などの国のブランドも評価していきたいと考えている。また2019年は、1万ブランドの掲載をめざしている」と語った。

私たちの消費パターンの転換は今や世界レベルでの課題であり、国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)の目標12にも、「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」が掲げられている。Good On Youの普及によって、多くの人々のファッションライフが変わることを願って止まない。

※1 Mobium 2007-2015