Tシャツの値段が3倍?商品の本当の価格を教えてくれるスーパー「True Price Store」

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店で食べ物などを買うとき、自分がそのモノの「真のコスト」が反映された金額を支払っているかどうか、意識することは少ないかもしれない。私たちは、人や環境に与えるマイナスの影響が反映された、本来支払うべき金額より、ずっと安い価格でモノを買っている可能性がある。

たとえば、2021年に開催された国連食料システムサミット(UNFSS)の報告によると、世界の食料消費額9兆ドル(約1,150兆円)に対し、環境コストが7兆ドル、人的影響のコストが11兆ドルかかっているという。つまり私たちは、真のコストが反映された金額の3分の1の価格で、食料を買っていることを意味する(※1)

2020年に、オランダのアムステルダムにオープンしたTrue Price Store(真の価格で売る店)は、こういった真のコストを上乗せした価格でモノを売っている。消費者に真の価格でモノを買うよう促すことで、世の中にサステナブルな商品を増やしていきたいという考えだ。

真のコストに含まれるのは、気候変動、土壌汚染、希少資源の利用、水質汚染、児童労働、不適切な賃金水準、労働安全衛生の確保の不備、ジェンダー不平等、ハラスメントなど、多岐にわたる。

True Price Storeによると、真のコストが反映されると、8ユーロ(約1,100円)のTシャツが23ユーロに、0.9ユーロのチョコレートが3.7ユーロになるという。こうして消費者が負担した金額は、森林再生や貧困支援などの活動に回すそうだ。

True Price Storeは、真の価格でモノを売る世界初の店で、他店も活動に加わるよう呼びかけている。これまでスーパーのDe Aanzet、オランダのメガバンクABN AMROが運営するスペースCIRCL、パン屋のBakkerij van Vessem、花屋のFleurmondeなどが活動に参加してきた。

True Price Storeを立ち上げたのは、社会的企業のTrue Priceだ。同社のアドリアン・デ・グルート・ルイス氏は、国連食料システムサミットにも科学者グループの一員として参加。真の価格という概念を広めようと活動している。

企業間競争のために、原材料費やエネルギーコストが最小限になるよう努力するのなら、真のコストすなわち外部費用も最小限になるよう、努力するべきではないだろうか。人や環境にマイナスの影響を与えると、その分費用がかさむという認識が広がっていくといい。

※1 The True Cost and True Price of Food – UNFSS
【参照サイト】Home – True Price
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