「持たずに借りる」エシカルTシャツ、アメリカでデビュー

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流行の服が欲しい。違う色の服が欲しい。違うデザインの服が欲しい。私たちの欲望はとどまることを知らず、結果としていつしか服は安価なものが増え、まるで「使い捨て」になっている。日本の場合、衣類の3R(リユース、リサイクル、リペア)率は約26%※1。残り7割以上は焼却か埋め立て処分されている。

今こそ、洋服を「持つ」ことからの脱却が必要な時なのではないだろうか。そんな想いで立ち上がったファッションブランドがある。エシカルファッションブランドの立ち上げ経験を持つクリスティー・ケイラー氏が今年米国で創立した「フォー・デイズ(For Days)」だ。

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「何も持たないことが、すべてを持つことになる」と言い切るこのブランドが提供するのは、いわばTシャツレンタル。利用方法はシンプルだ。3枚、6枚、10枚の単位で、それぞれ1ヶ月あたり12ドル、24ドル、36ドルの利用料を支払う。穴があいたり、すり切れるなどしてどうしても着られなくなった場合は返却でき、新たなTシャツに取り替えてくれる。送料はすべて無料で、キャンセルや枚数変更もいつでもできる。

フォー・デイズは「持つ負担からの解放」だとケイラー氏は表現する。つまり、フォー・デイズのTシャツを利用する限り、Tシャツを所有することはなく、あくまで借り続けているのだ。

さらに、返却されたTシャツがごみになることはない。古いTシャツは細かく切り刻まれ、糸をつくるためのパルプとなり、新たなTシャツに生まれ変わる。現在は糸をつくる際、リサイクル素材が3割で新たな綿を7割足しているが、将来的にはすべてリサイクル素材でつくる予定だという。

原材料や製造方法のこだわりも抜け目ない。綿は、米国で生産されたGOTS認証のオーガニックコットンを使用。ロサンゼルスの工場で製造し、労働者たちの最低賃金や休暇取得などにも配慮している。独自の生産設備で過剰生産の防止、そして廃棄物の削減に取り組み、工場では再生可能エネルギーを利用している。

包装材の最小化にも取り組んでいる。通常、洋服に付いているはずのタグをなくし、包装材はすべて再生素材でかつ、再利用できるものを選んだ。製造ラインや倉庫ではポリ袋を使わず、製品を清潔かつ乾燥した状態に保つ方法を開発している。

「地球は未来からの借り物」と言われる。本来、私たちが所有するものは何一つとしてなく、未来の世代に返却するものだ。しかし私たちはついこの感覚を忘れて、使いすぎたり、汚したりしている。

フォー・デイズは、あえてTシャツを所有するのではなく「借りる」仕組みにすることによって常にこの感覚を思い出させ、脱使い捨てファッション、循環型経済システムへの道を切り開くモデルの一つとなっていくだろう。

※1 「繊維製品3R関連調査事業」報告書 平成22年2月 独立行政法人 中小企業基盤整備機構

【参照サイト】For Days