プラスチックごみをクリーン燃料に変える、米大学の新技術。リサイクル産業の発展を後押し

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私たちは、たくさんのプラスチック製品に囲まれて生活している。調査によると、過去65年間に生産されたプラスチックのうち、9%のみリサイクルされ、12%が焼却されたという。 残りの79%は埋め立て地または海に流れつき、2050年までには魚よりもプラスチックごみの方が多くなると予測されている。この海洋プラスチック削減に向けて、今さまざまな国や企業が取り組んでいる。

そんななか、アメリカのパデュー大学研究チームが、プラスチックごみをクリーン燃料に変える新技術を開発した。この技術はプラスチックの一種であるポリオレフィンを化学変換することで、クリーンな燃料やその他の有用な物質を生成するものだ。毎年排出されるポリオレフィン廃棄物を変換して得られるクリーン燃料は、ガソリンやディーゼル燃料の年間需要の4パーセントをまかなえるという。

化学プロセス

(c)NOAA

今回開発された技術では、バイオマスを高温高圧の熱水のなかで熱分解させる「水熱液化」と、液体または固体のなかから特定の物質を溶媒に溶かして取り出す「抽出」を利用。これにより、ポリオレフィンの含まれるごみの90%以上を純粋なポリマーやモノマー、そしてナフサ(軽質油)などの燃料に変換することに成功した。

化学プロセス

(c)Purdue Research Foundation image/Vincent Walter

当研究を率いたパデュー大学のワン教授は、「この技術がリサイクル産業を刺激し、プラスチックごみの削減に寄与できることを願っている。」と語る。研究チームはすでに特許を取得し、現在は、商業規模での実現を目指して投資家やパートナーを探しているそうだ。

海洋や私たちの住む地の環境保全を目指し、プラスチックごみをクリーン燃料に変える化学変換プロセス。今後のさらなる研究開発に期待したい。

【参照サイト】Millions of tons of the world’s plastic waste could be turned into clean fuels, other products through chemical conversion
(※画像:PURDUE UNIVERSITYより引用)