コスタリカ、2021年までに世界初のプラスチックフリー&カーボンニュートラル国家を目指す

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みなさんも覚えているだろうか。2015年に世界に衝撃を与えた、ウミガメの鼻からプラスチックストローが取り出される動画を(※1)

これをきっかけとして大企業が次々と使い捨てストローを規制するなど、大きな反響があった。実はこの動画は、中米の小国コスタリカの海岸で、海洋生物がプラスチック汚染に侵されていることを世界に知ってもらうために科学者らを含む調査グループが撮影したものだったという。

地球上の0.03%の土地に、地球上の生物多様性の5%をしめるほど豊かな生態系があるコスタリカは、国土の25%が保護区として管理され、生物保護をするエコツーリズムの発祥地であることや、電力の98%を再生可能エネルギーでまかなっていることから、環境先進国として世界をリードしている。

そんなコスタリカはいま、「2021年までに世界初のプラスチックフリー&カーボンニュートラル(※2)国家になる」ことを宣言している。

サンホセの風景

Image via Shutterstock.com

プラスチックフリー国家になるために、コスタリカは2021年までにすべての使い捨てプラスチックを廃止する計画を進めている。また政府はプラスチック問題に取り組む事業にインセンティブを与えるとともに、このゴールを達成するために使い捨てプラスチックに代わる代替品の研究に投資をしている。

コスタリカ政府と、プラスチックフリー計画を支援するUNDPは、公的機関および民間のすべての事業者が使い捨てプラスチックを廃止するために、次の4つの戦略的アクションを実行していかなければならない、と共同声明を出した。

  1. 地方自治体によるサプライヤーへのインセンティブや方針、制度的なガイドライン付与
  2. 使い捨てプラスチック製品の代替品の開発
  3. 調査と研究
  4. 戦略的イニシアチブへの投資

またコスタリカは、なんと2007年にはカーボンニュートラル宣言と再生可能エネルギー発電100%宣言をしており、現在すでに98%の「電力」が再生可能エネルギーでまかなわれている。しかしいまだに運送、交通機関、自家用車などの輸送部門で使われるエネルギーに関しては化石燃料に頼っている状態だ。2021年までにカーボンニュートラル国家を実現するためには、代替エネルギーによる輸送を達成することが重要課題となる。

こちらも、環境にできるだけ負荷をかけない乗り物を開発する企業や利用者に対してインセンティブを与えるなどして、化石燃料の使用を段階的になくしていく方針だという。

このような取り組みは、今に始まったことではない。プラスチックフリー&カーボンニュートラル以外にも、コスタリカは環境にやさしい話題が盛りだくさんなのだ。

たとえば、先述したエコツーリズムに関して。コスタリカ政府観光局は「自然・地域社会と調和した観光」を世界に先駆けて推進するべく、持続可能なツーリズム認証(CST)によって地元の観光業者を段階別に評価するシステムを築き上げた。これにより、地元の業者はできるだけ環境にやさしいツーリズムを実践しようとするのだ。米国の熱帯雨林連合(RA)が高いレベルの認証を取れるように指導するなど、サポート体制も整っている。

コスタリカの森林

Image via Shutterstock.com

このように、コスタリカは地球にやさしい国となるためにひとつひとつの問題を着実に解決している。いまコスタリカでは自動車産業が急成長しているため、カーボンニュートラルは難しいだろう、という声も上がっているが、コスタリカの目標を達成する力は確かだ。

日本でも、スーパーやコンビニでのレジ袋の有料化に関する素案が提示されるなど、少しずつではあるが、環境に対する取り組みが進んでいるように思う。小さな国にも、世界に影響を与える大きな力があることを証明したコスタリカは、私たちに進むべき道を教えてくれている。

※1 Youtube: Sea Turtle with Straw up its Nostril – “NO” TO PLASTIC STRAWS(流血が含まれます)
※2 カーボンニュートラル:気候変動の原因となる炭素の排出と吸収をプラスマイナスゼロにすること
【参照サイト】Costa Rica wants to be the first country to ban all single-use plastics
【参照サイト】Costa Rica Aims To Be the World’s First Plastic- and Carbon-Free Country by 2021