世界には、残って廃棄される石鹸と、衛生状況改善のために必要とされる石鹸がある。ホテル世界大手ヒルトンホテルが、この石鹸のムダと有効活用に立ち上がった。
ヒルトンホテルはNPO団体Clean the Worldと共同で、世界手洗いの日(10月15日)までに宿泊客が残した100万個の石鹸をリサイクルし、世界で石鹸を必要としている人々に寄付することを発表した。
アメリカを本拠地とする Clean the Worldは、過去10年間で、衛生に関する病気で死亡する5歳未満の子供の死亡率を60%減少させることに貢献してきた。リサイクル石鹸などの衛生製品を困っている人に提供して命を救うことをミッションに置いているのだ。
このミッションは、ヒルトンホテルの企業戦略である「目的のある旅」に一致する。 ヒルトンホテルは2030年までに社会投資を倍増させ、地域社会にいい影響を与え、二酸化炭素排出量を半分にすると公表しているのだ。
今回の共同プロジェクトでは、アメリカとカナダ、プエルトリコとドミニカ共和国のヒルトンホテルグループから宿泊客が残した石鹸を集め、粉砕消毒し、切断して新しい石鹸を作るという。
これまでもヒルトンホテルは、Clean the Worldとの石鹸リサイクルパートナーシップを通じて、760万個以上のリサイクル石鹸を寄付してきた。これに当たって、90万キログラムを超える石鹸とアメニティボトルがリサイクルされ、新しい石鹸と衛生キットに生まれ変わっている。
「世界には基本的な衛生設備を持たない人が23億人いて、毎日3500人を超える子供たちが予防できる衛生関連の病気で死亡している。我々の挑戦は、多くの人々にとって役立つものになるだろう。」と、Clean the Worldの創設者兼CEOのショーン・サイプラー氏は語っている。
ホテルの宿泊客が残した石鹸をリサイクルし、困っている人に寄付して衛生状態を改善し、命を救うプロジェクト。とてもいい試みだ。
【参照サイト】Hilton Brands to Recycle 1 Million Bars of Soap by Global Handwashing Day