ガーナの農村に電気と雇用を。カカオの殻からつくるバイオエネルギー

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私たちが大好きなチョコレートの原料は、熱帯地域で栽培されているカカオだ。いま、世界2位のカカオ生産国のガーナで、カカオの殻からバイオエネルギーをつくる新たな試みがされている。

この試みは、電気がほとんど普及していないアフリカの農村地域への貢献を目的としている。研究を率いるのは、イギリスのノッティンガム大学研究チームだ。同チームによると、現在ガーナの農村地帯における電気普及率は15%ほどだという。ガーナ政府は、2030年までに電気へのアクセスを100%にするという国際的な目標の達成を目指しており、今回の実験はそれに向けた大きな足掛かりとなる。

1トンのカカオ豆を収穫する際には、約10トンのカカオの殻が出ており、研究者らは、これまでこの殻が十分に活用されてこなかったことに着目した。

カカオ豆でつくる燃料

当プロジェクトは下記のステップで行われる。

  1. ガーナの6地域で栽培される4種のカカオの生産副産物である殻の、バイオ燃料としての特性を見極める。
  2. カカオの殻をバイオ燃料にするための、小規模なバイオ発電所の設計を行う。この発電所は、ガス化溶融炉やディーゼル発電機、太陽熱乾燥機、ペレット製造機を含むガス化発電システムを備える予定だ。
  3. バイオ燃料開発のスキームをつくり、ガーナの地域コミュニティで統一するためのガイドラインを作成する。
  4. 上記で作成したバイオ燃料開発スキームに対する、利害関係者(ステークホルダー)の認識を調査する。
  5. カカオ生産地域の協同組合と、そのガバナンス構造をつくりあげる。

今回の試みは、ガーナの農村地域へのエネルギー供給だけでなく、カカオの殻の収集や輸送、処理、保管といった新しい仕事を地域で生むことにつながる。プロジェクトの目標は、新たなバイオエネルギー産業を創出し、ガーナの農村地域に住む人々の経済、そして生活を安定させることだ。

イギリス政府のグローバルチャレンジ研究基金も、このバイオ農村エネルギー計画(IBRES)プロジェクトを支援している。

これまで“ゴミ”だったカカオの殻からバイオエネルギーを生成し、人々に電気をもたらすと同時に経済を安定させるプロジェクト。今後が期待される。

【参照サイト】Turning cocoa bean waste into electricity for off-grid West African villages