大切なのは、選択肢を増やすこと。豪セブンイレブンが設置した使い捨てカップ専用のゴミ箱

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私たちが日々使用するテイクアウト用の紙コップは、実はリサイクルするのが難しいことをご存知だろうか。紙コップは、液漏れを防止するために内側をプラスチックでコーティングされているものが多く、紙部分とプラスチック部分の分離が難しいことから、そのほとんどは可燃ごみになっている。

昨今ではリサイクルできる特殊な紙コップの採用や、そもそも使い捨てでないマイカップの使用が推奨されているが、入ったお店がリサイクル可能な紙コップを使っているとは限らないし、マイカップを持参できないこともあるだろう。

「ゴミを出したくない、けれども出先でコーヒーをテイクアウトしたい……」そんなジレンマを解決するプロジェクトを、「7-Eleven(セブンイレブン)」がオーストラリアで開始した。

セブンイレブンは、使い捨てコーヒーカップの回収とリサイクルを行っている「Simply Cups(シンプリー・カップス)」と提携し、オーストラリア全土200箇所以上の店舗に使い捨てコーヒーカップを回収する専用のゴミ箱を設置した。

セブンイレブンのコーヒーマシーン

Image via shutterstock

ゴミ箱は紙コップとフタを分別できる仕組みになっており、集められた素材はシンプリー・カップスに回収され、駐車場のバンパーやケーブル、家具などに再利用される。このゴミ箱はセブンイレブン以外で購入した使い捨てコーヒーカップでも利用可能だ。

現在オーストラリアでは、セブンイレブンの店舗だけでも年間7000万個の使い捨てコーヒーカップが使用されており、破棄されて埋め立てられるコーヒーカップは年間10億個にのぼる。セブンイレブンはこの活動を通じて7000万個のコーヒーカップをリサイクルする予定だ。

豪セブンイレブンの最高経営責任者であるAngus Makay氏は「プラスチックが埋め立てられることがないよう、セブンイレブンは解決方法を見つけて世界をリードする責任がある」と語る。「廃棄されるプラスチック問題を解決するには多様な解決策が必要であり、セブンイレブンは専用のゴミ箱を設置することによって消費者の意識を変え、人々が使い捨てのコーヒーカップを責任持って捨てられるよう手助けしたい」と述べている。

セブンイレブンはオーストラリア国内の店舗にコーヒーカップ専用のゴミ箱を置くだけでなく、使い捨てコーヒーカップから作られた再利用可能なコーヒーカップの販売も同時に行い、消費者がプラスチック問題の解決へ参加できるよう選択肢を与えている。

リサイクルすることは既に広く知れ渡ったアイデアで、おしゃれなマイカップやステンレス製のストローなど新しいアイテムを導入することほど目新しく映らないかもしれない。もちろん、再利用可能なアイテムを使うことは環境に良いことだが、全ての消費者がいきなり「使い捨てる」から「使い続ける」へと移行することは難しい。

セブンイレブンのこの試みは、使い捨てコーヒーカップをリサイクルするだけでなく、より多くの人が環境問題へ参加できるよう様々な入り口を用意する重要性を伝えている。

【参照サイト】 7-Eleven(オーストラリア)
【参照サイト】 Simply Cups

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