ブラジルのペットボトル飲料「ハック」キャンペーンが伝える、リサイクルの真実

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日本ではプラスチックがどの程度リサイクルされているかご存知だろうか?昔からプラスチックの分別回収を行っている日本では、分別に関して細かいルールが定められており、約8割のプラスチックがリサイクルされていると発表していた。しかし、そのほとんどが日本独自の「サーマルリサイクル」という、プラスチックを燃やすことで発生する熱をエネルギーとして利用する処理方法を行っている。

サーマルリサイクルは国際基準ではリサイクルとは認識されていないため、この熱回収の割合を引いた数値をみると、たったの2割ほどしかリサイクルされておらず、そのうちのほとんどが海外に輸出されてからリサイクルされているため、国内でのリサイクルは実は1割ほどだ。

廃プラスチック量が世界で4番目に多いブラジルでも、回収されたプラスチックのほとんどが国内でリサイクルされていない。そんなブラジルのスーパーで、飲料売り場に並ぶ「リサイクル可能な」マークのあるペットボトル飲料が、実はほとんどリサイクルされていないという事実を広めるためのキャンペーンが行われた。

スーパーに侵入した一人の男性により、飲料売り場に並ぶペットボトルに「NOT RETURNABLE」と書かれたステッカーが次々と貼られ、飲料売り場が「ハック」されていく。

ステッカーには「50% is not recycled(50%がリサイクルされていない)」と書かれており、ペットボトルの半分が実はリサイクルされていないことを消費者に認識させるものになっている。さらに、「Plastic expiration date:12/01/2219(プラスチックの消費期限:2219年1月12日)」との記載もあり、プラスチックはシングルユースなのではなく、ずっと長く使えるものだということを表している。

キャンペーンを仕掛けたのはブラジルに拠点を置き、社会的インパクトのあるアイデアを提案する広告代理店「Carma Intervenções Sociais」だ。

「ブラジル国内でのリサイクルの現状を知ったとき、このソーシャルキャンペーンを思いつきました」と、Carma Intervenções Sociaisのチームは語る。そして「まずは消費者がリサイクルの現状を認識することが、プラスチック素材を減らすことに繋がる」と述べた。

現在、世界中でプラスチックをリサイクルするための様々なアイデアが生まれている。しかし、プラスチックがリサイクルされる量は消費される量には到底及ばないのが現状だ。そのために、まずは根本的にその消費量を少なくする意識を、消費者が持つことができる教育の機会を増やすことが、再利用のアイデアと同等、いやそれ以上に大切なのかもしれない。

▶︎こちらから「NOT RETURNABLE」ステッカーがダウンロード可能。

【参照サイト】「プラスチックリサイクルの基礎知識2019」一般社団法人プラスチック循環利用協会
【参考サイト】Carma Intervenções Sociais