海洋プラスチックの回収~再利用を日本で完結。P&Gが台所用洗剤「JOY Ocean Plastic」発表

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海洋プラスチックが世界中で大きな問題となっている。ナショナルジオグラフィックの調査によると、年間約800万トンものプラスチックごみが不法に海に投棄されており、2050年までに、海にいる魚の数よりもプラスチックごみの数が多くなると予測されている。日本を含むアジアは、世界でもっとも多くのプラスチックごみを排出しており、日本の海岸にも多くの海洋プラスチックが漂着している。

そうした問題を受け、消費財メーカーのP&Gジャパンは、海洋プラスチックをリサイクルした「JOY Ocean Plastic」の販売を発表した。海洋プラスチックの再利用は国内日用品業界において初の試みであり、回収から生産までをすべて国内で完結させたという点も特筆すべきポイントだ。

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P&Gが発表した「JOY Ocean Plastic」。

海洋プラスチックの回収・ペレットへの加工は、テラサイクル社の協力を得た。回収は長崎県対馬市にてボランティアとともに行った。対馬市は海流の影響で多くの海洋プラスチックが流れ着くのだという。今回は、集められた海洋プラスチックの中で、ペットボトルのみがリサイクルの対象となった。その量は20万本、重量にして6トンにもなったという。ちなみに、ペットボトル以外の海洋プラスチックは、テラサイクルが別用途で使用する。

回収された海洋プラスチックは、テラサイクルの工場にて分別・粉砕・洗浄を経て、ペレットに加工。P&Gの工場にて、ペレットからボトルへと加工された。ボトルの耐久性・安全性を確保する面で試行錯誤を重ねたという。最終的には、通常のボトルと同等の強度を保つため、海洋プラスチックを25%、一般的な再生プラスチックを25%含むボトルとして完成した。ボトルの色は、海洋プラスチック由来で少しくすんだ色となっている。

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左2つがJOY Ocean Plasticのボトル、右2つが通常のJOYのボトル。並べてみると、少しくすんだ色をしているのがわかる。

P&G代表取締役社長スタニフラブ・ベセラは、「一つの国の中で、海洋プラスチックを収集し、加工して、商品にするプロセスを完結させたのは、世界で初めての取り組みです。もちろんプラスチックごみの問題は、このプロジェクトのみでは解決できません。しかし、消費者や業界に対して、何らかのメッセージを送ることができるのではないかと考えています。」と話した。

JOYブランドマネージャーのゾン・シャオファン氏は、「身近な商品である台所用洗剤として、店で見かけて手に取り、家の中で使う過程の中で、海洋プラスチックの問題を知り、少しでも貢献するきっかけを作れるのではないかと考え、このプロジェクトに取り組みました。消費者の方々や社会の反響を見て、次のステップを積極的に考えていきたいと思っております。」と話した。

P&Gが策定した2030年に向けての戦略では、プラスチックごみに関して、「パッケージの100%をリサイクル可能、もしくは再使用可能なものにする」「P&Gのパッケージの海への流出を0にする」という、2つのコミットメントを掲げている。今回のプロジェクトも、このコミットメントに基づくものだ。他にも、東京オリンピックにおいては、組織委員会と協力し、すべての表彰式で使用する表彰台を再生プラスチックで制作するという、オリンピック史上初の取り組みに協力している。

「JOY Ocean Plastic」は55万本の数量限定で生産され、今週末より順次出荷となる。来週には店頭に並ぶだろう。店頭で見かけた際には、ぜひ海洋プラスチックの問題に思いを馳せてみてほしい。

【参照サイト】P&G Japan