災害時や宇宙探査への利用も。スタンフォード大が開発したソフトロボットは安全で持運び簡単

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ロボットがどんどん進化している。今後は人と一緒に作業したり、重い荷物を持ち上げたり、危険な場所で救助活動をしたりといった場面が、ますます増えていくことだろう。

スタンフォード大学の研究チームが、柔軟に形を変えながら動く、安全でコンパクトなソフトロボットを開発した。ソフトロボットとは文字通りやわらかなロボットという意味だが、ロボット工学においては比較的新しい分野だ。文部科学省は “新学術領域「ソフトロボット学」では、生体システムのもつ「やわらかさ」に注目し、生体システムの価値観に基づいた自律する人工物の創造を目指す。”と定義している新学術領域研究 2018年度~2022年度より)

これまでの課題として、研究チームは、多くのソフトロボットは大きな空気圧縮機に取り付けたり、コンセントを差し込んで使用したりしなくてはならず、自由な動きが制限されていると考えた。そこで作り上げたのが、空気を入れることで形を変え、物をつかんだり移動したりできるロボットなのだ。

スタンフォード大のロボット

(c) Farrin Abbott/Stanford University

このソフトロボットは、3台の機械と1本のチューブから構成される。1台の機械がチューブの両端をつかみ、他の2つの機械がチューブに沿って動いて三角形の角を移動させることで、ロボットを変形させる。チューブの長さと内部の空気量は一定のままでよい。基本的には従来のモーターを使ってやわらかい構造物を操作するというもので、ソフトロボット利点と古典的ロボットを組み合わせた、新しいタイプのロボットとなっている。また、複数の三角形を組み合わせてモーターの動きを調整することで、ボールを拾ったり、回転したりといった、さまざまな動作ができるようになる。

また、本ロボットは従来のロボット使用では人がケガをするかもしれない、家庭や職場といった場所や災害時における使用が期待される。さらに、コンパクトなため輸送しやすく、膨張すると自由に作動することから、宇宙探査に役立つ可能性も秘めている。将来、他の惑星でソフトロボットが狭いスペースに入り込み、複雑な地形を移動する姿が見られるかもしれない。

「このタイプのシステムを研究することで、ロボット設計の創造性がひろがる。これは、ロボット工学の分野で私たちが進めていきたいことだ。」と、スタンフォード大のアリソン・オカムラ機械工学教授は述べている。アメリカ国立科学財団や国防高等研究計画局の資金提供を受け、当チームはこのロボットをさまざまな形状で実験するとともに、水中での使用検討や、新しいタイプのソフトロボットの研究開発を進めている。

ロボットの可能性を広げ、さまざまな場面での活躍が期待されるスタンフォード大学のソフトロボット。これからの展開がとても楽しみだ。

【参照サイト】Stanford engineers create shape-changing, free-roaming soft robot
【参照サイト】文部科学省
(※画像:スタンフォード大学より引用)